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2015年5月 7日 (木)

2692 計画とルール

企業の環境経営システムの審査に長く携わっていると、取組み期間が長くなって「要領」がつかめてくると、前年度の資料を使いまわして、新たな年度の計画を作る作戦を始めます。それが楽で、審査の際にもあまり突っ込まれないからです。しかし、そもそも計画とは何であったのかを改めて考えてみる必要があるでしょう。計画とは、目標を達成するための行動を定めたものである事は当然ですが、多くの計画書には、誰が何をやるかは書かれていても、多くの場合それを何時、どういったタイミングで、具体的にどの様に行うのかまでは記述されていません。

しかしながら、日常業務をやりながら、他に改めて「環境」のためだけに何か行動を起こすのは、さぞ骨が折れるし長続きもしないでしょう。何故なら、その年度の計画を頭に入れた上で、行動を起こすべきタイミングで、然るべきやり方で行動する事を求められるからです。従って、計画を作成し、それを実行し、更にシステムとして求められる記録を作成するのは、率直に言えば「ムダ」だと言えるでしょう。

その解決策は意外に簡単だと言っておきます。つまり、為すべき行動を「ルール化」してしまえば良い訳です。企業の場合、仕事は各種のルールに従って遂行される筈です。ルールに無い行動は、多くの場合都度上司からの指示を受ける必要があるでしょう。ルール化がしっかり行われてさえいれば、社員が行動に迷う事は少なくなる筈ではあります。

例えば、省エネルギーを達成するに当たって、総務係長が責任者になって、光熱エネルギーを毎年1%削減する目標を立て、それに従って、照明の入り切りや空調の温度調整に関しての行動計画を作ったとしましょう。しかし、毎日誰かがスイッチキーパーを引き受ける必要があり余分な仕事も増えます。

ルール化では、例えば照明で言えば、工場や事務所内の照度を計測し、作業に役に立っていない照明器具を見つけ、それを間引くと言うルールを決めさえすれば良いのです。100個中のたった1個を間引くだけで、1%の省エネは即時達成できる事になります。同様に空調でも、部屋の温度分布を細かく計測し、温度設定より涼しいエリアと逆に暑いエリアを特定し、それに対しての対策ルールを施せば、冷房の設定温度を上げても快適さは維持できる事になります。遮熱や風向や風量を再度見直して、一度だけ改善を行えば、細かい省エネ計画や標語などは不要になるでしょう。必要なのは形だけの計画などではなく、日々の行動ルールなのです。

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