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2015年7月17日 (金)

2757 効率なんて

現代社会では、科学技術の分野であれ、ビジネスであれとかく「効率優先主義」が幅を利かせています。企業の利益率がどうだとか、太陽光発電パネルの効率が20%を超えたとか、インプットに対して、アウトプットの比率が高い事が価値があるとされている訳です。しかし、考えてみれば効率などいう数字はは、ある前提条件を決めた上で初めて定まるものであり、なにか「絶対的効率」などというものが存在する訳ではないと思うのです。

例えば、企業の効率の指標である利益率だって、顧客や従業員への還元を最優先で考えるなら、低くならざるを得ないでしょう。それらを削って、無理やり利益に数字をもっていけば、当然の事ながら利益率は高く設定できる事になります。つまり、経営者が彼が転がす企業の利益率が高いと胸を張るなら、それはその企業が顧客や従業員の犠牲の上に立っているという事の裏返しになると言えるのです。

また太陽光発電パネルの効率が高い事を、あるメーカーが自慢したとしましょう。効率を上げるためには、例えばセルに使われるシリコンの純度を上げたり、モジュールの内部抵抗を減らすなどの対策が必要であり、それを作るためのエネルギーや手間が余分に掛かり、コストも上昇する筈なのです。もし、効率の低いモジュールと、効率の高い優れたモジュールを同じ面積に設置するなら、当然後者の方の発電量は高いでしょう。しかし、たとえ効率は低くても少し広い面積に設置すれば、発電量は同じだけ確保できるでしょう。モジュールの寿命が尽きるまでの総発電量を、コストで割り単価当たりの発電量と言う「効率」指標を持ち込むなら、効率は低くても丈夫で寿命が長いモジュールに軍配が上がる事になります。効率が高くても、故障が多かったり、寿命が短かったりするなら、見かけの「変換効率」には意味が無くなることになるでしょう。全ての効率という数字は、十分に長い期間のレンジで眺めた上で、前提条件とセットで考える事が必須です。たぶん続きます。

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