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2015年7月21日 (火)

2761 旱魃

東南アジアやインドでは、近年まれに見る旱魃被害が広がっているとか。その原因は、エルニーニョだと言われていますが、ではそもそもそのエルニーニョはどうして発生し、長く続くのでしょうか。エルニーニョは、赤道風(東から西に向かって吹く風)が極端に弱まった時に、ペルー沖の湧昇流が弱まり、結果として海表面温度が平年より数℃上昇してしまう現象です。ペルー沖の水温上昇は、逆に太平洋の反対側やインド洋では、相対的は水温下降をもたらし、海洋から影響を受ける地域の旱魃を引き起こすと言った機序になります。

ではなぜ、赤道風が弱まるかですが、赤道風は偏西風の逆向きに吹く風なのですが、当然の事ながら全球規模で眺めれば、両者は相互に影響し合ってる筈です。偏西風は、極気団から吹き出す風が、地球の自転によって生ずる力(コリオリの力)によって、気団の縁を回る様に流れるものですが、立体的に見れば、この風を補うような逆向きの風を生む事になります。これが赤道風ですが、投稿者が見るにどうやら偏西風が弱まった時に、赤道風も止んでしまう様なのです。

偏西風(ジェット気流)が弱まる原因は、極地方における温暖化です。とりわけ、北極の温暖化は深刻で、夏季には北極海の氷が解けて、船舶の航行が出来るまでになっています。氷(浮氷)が解けると、表面の反射率(アルベド)が低下し、夏季に太陽熱が海水に蓄積され、温暖化がさらに加速する悪循環に陥るのです。極地域の気温が上昇すると、極気団も弱まり、結果としてジェット気流も弱まる事になります。実のところ、エルニーニョが長期間(時には数年)に亘って持続するメカニズムは明確になっている訳ではありません。気候変動には、短期、中期、長期の「振動現象」が伴うからです。その振動には、単に地質学的な影響だけではなく、大気や海洋の循環、さらに言えば生物の活動レベルまで関与していると言われ、複雑過ぎて単に一学問分野の知見だけでは解明できない現象だと言えそうです。

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