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2015年8月31日 (月)

2790 引力・斥力?

力のバランスには、押しのバランスと、引きのバランスとがありそうです。押しのバランスとは、例えるならば磁石のSとS(又はNとN)を、真向いにして横にずれない様に、力で抑えて置く状態と言えるでしょう。少し力を抜くと、磁石同士は斥力でずれて、本来の位置を保てない不安定な状態に陥ります。かつて、いわゆる冷戦時代には、B国とS国は、互いに強力な「磁極」を形成し、周囲の国を巻き込んで、力と力の角を突き合わせる「パワーバランスゲーム」に勤しんでいた状態に似ています。斥力によるパワーバランスは、ベクトルの方向が少しずれただけで、一触即発の危機を招くというリスクを孕んでいると言えるでしょう。それは、冷戦時代に起こった(起こりそうだった)の数々の「軍事危機」を振り返るだけでも十分理解できるところです。

一方で、引きのバランスは、綱引きゲームの状態に似ています。パワーで相手を押しのけるのではなく、自分たちの陣営がより好ましく、人を引き付ける魅力的なものであることを、相手に納得させつつ、自分たちの方に徐々に引き寄せる作戦だと言えるでしょう。引きのバランスは、力の入れ加減さえ調整すれば、ベクトルがずれる恐れはありませんので安定的でもあります。

さて、これを現在国を二分して議論している安全保障に関わる法案に当て嵌めてみましょう。何しろ、この法案は「当て嵌め」がキーワードの様ですから・・・。これは、明らかに斥力の力のバランスを頭に置いた考え方だと言えます。つまりは、目には目を、歯には歯を、パワーにはパワーの考え方です。

他方、引力のパワー戦略とは、世界の誰もが羨む様な、国としての「魅力」を備える事だと言えそうです。国の魅力とは、単に経済的な豊かさは意味しません。国民が、それぞれの立場で役割を担って働き、ソコソコの物質的な豊かさを実現し、しかしそこに住む人々は、十分なレベルの「精神的豊かさ」を実現している様な国だと言えます。この様な国は、モノを作りまくって、それを売りまくる様な事はしません。貿易相手国の国情も勘案し、互いにWin-Winの関係を築く様に立ち回る筈なのです。

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