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2015年9月 1日 (火)

2791 偏西風の弱体化

ふと気が付いたら、もう9月になってしまいました。さて、最近の夏場の気候の特徴として、偏西風の弱体化が挙げられそうです。寒冷な極地方には、下降気流が集まり、高気圧=極気団を形成します。そこから、風が中緯度方向に向かって流れ出しますが、コリオリの力によって曲げられ、結果としては西から東に向かって流れる偏西風になるのです。偏西風は、いわば極気団の「鉢巻き」だと言えるでしょう。

偏西風が強い、つまりは極気団の気圧が高い場合には、円形で高速で流れるきれいな鉢巻きになりますが、極気団が弱い夏場、取り分け近年の様に北極海の浮氷が極端に少なくなる時期には、極気団も弱まり、結果として偏西風はひどく蛇行する事になります。偏西風の蛇行は、極点から眺めると、クローバーの様に何枚かの葉が広がっている様に見えるのですが、日本にその葉の部分が掛かるか、あるいは葉の間の部分が来るかによって、夏場の気候は大きく左右される事になります。つまり,葉の部分は気圧が高く冷涼なので、乾いた涼しい夏となりますが、一方葉の間が来ると、海洋から湿ったモンスーンを引き上げ、蒸し暑い高温の夏をもたらすのです。勿論、これに太平洋の海水温も絡んできますので、実際の気象はもっと複雑にはなるでしょう。

しかし、夏場の北極海の浮氷の減退は、年々進んでいるのは事実であり、この偏西風の蛇行傾向は、今後とも永く定着してしまうのも間違いないところです。

偏西風の蛇行がもっと進むと、クローバーの形すらはっきりしなくなり、モヤモヤとした形になってしまいます。そうなると、極気団は本質を失い、単なるサイズの大きな高気圧になり下がってしまうでしょう。極気団は、涼しい風をジェット気流に混ぜ込んで送り出す冷風機の役割が弱まり、結果としては中緯度地域の気象は、海洋性の高気圧や低気圧と日照の強さだけに支配される様になると見ています。つまりは、近年の夏場の猛暑の原因は、北極気団の弱体化に見出す事が出来そうなのです。しかも、その傾向は今後は強まりこそしても、元に戻る兆候は、現在までのところ残念ながら見出されていないのです。どうやら私たちは、この様な気候の変動に「順応(適応)」するしかなさそうなのです。

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