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2015年9月 3日 (木)

2793 マネー還元主義

別におカネに恨みがある訳ではないのですが、やはり最近のおカネの流れは度をかなり超過していて気にかかります。何が一番気になるかと言えば、その量です。実際に、この世の中に出回っているモノをおカネに換算出来たと仮定して、ではその額と今世界に流通しているおカネで、どちらが多いかと言われれば、多分圧倒的に後者でしょう。つまり、たとえ使い切れない程おカネをもっている大金持ちでも、買えないモノが多いという事になります。

勿論、おカネは通貨だけではありません。株や債券などの、いわゆる有価証券など通貨以外のマネーの方がかなり多いと想像しています。では、モノの価値より多いおカネにはどんな意味があるのでしょうか。抱えきれない程のおカネ(札束)があっても、ロクなものが買えない状態を悪性インフレと呼びますが、かつていくつかの国々では、この悪性インフレに悩まされても来ました。これは、結局通貨に対する信用、ひいてはそれを印刷して発行しているその国政府への信用が、地に落ちたという状態でもあります。紙に印刷した価値を保証しているのは、その国の政府=国立銀行だからです。

この国も、今せっせとお札を印刷し続けています。何やら「インフレターゲット」を達成するためだそうですが、モノの裏付けがないのに通貨量だけを増やして、一体何を狙っているのか、おカネに縁のない投稿者には、全く理解が出来ないのです。おカネは、不便な物々交換や、貴金属で出来た重い貨幣を持ち歩く不便を解消するために作られた、社会の便法ですが、今や私たちはそのおカネに押しつぶされようとしている様な気がするのです。つまり、価値交換の便利さのための「手段」でしかなかったおカネが、いつの間にか社会を支配する「目的」に転じてしまったと言うしか無さそうなのです。道具としてのおカネがいつの間にか、それを集める事が目的となってしまった状況を、ここではとりあえず「マネー還元主義」とでも呼んでおきましょう。この様な社会では、大量のおカネがおカネを増やそうと日夜ネットの中を右往左往する事になります。

同様の手段と目的が逆転した還元主義は、電力還元主義、石油(天然ガス)還元主義、コンピュータ還元主義など、多くの分野に見られる現象で、一種の現代病と言えるかも知れません。

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