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2015年9月10日 (木)

2800 ネットデモ

昨晩のTEDプレゼンの中のキーワードは、「フィードバック」だった様に思います。プレゼンテーマは、建築物とそれを使うユーザーとの間のコミュニケーションの断絶、つまりはユーザーから建築家へのフィードバックが不十分なため、奇抜な形の建物が蔓延る結果になったとM.クシュナーは言うのです。確かに、建築家がデザインを起こしてから、建物が完成するまで数年か10年ほどを要し、実際に落成して人々が建物の雰囲気や使い勝手を実感するのはそれからですから、もしピンと来なくても、建て主が一度受領してしまえばどうにも修正は出来ないのです。

新国立競技場も、もしカリスマ設計者のZハ案の設計のままに作っていたとして、それが果たして、あの場所(神宮外苑)にスンナリマッチしたのか、見かけの通り使い勝手も良かったのか、本当の事は実際に出来て、使ってみなければ分からない部分も多いのでしょう。その意味では、クシュナーの言う通り、振り子の振り幅がひどく大きくなっていたかも知れません。

しかし、昨今はネットという「フィードバック手段が」あります。五輪のロゴマークもネットでズタズタに切られましたし、利権絡みで天井知らずに膨らみ過ぎた新国立競技場の予算もバッサリ切られました。同様に、現政権の暴走に対しても、ネット社会がノロシを上げてデモを組織して対抗しています。選挙で大勝したからといっても、荒っぽい政策に対しては、すぐさま「No」を突き付け、そのNoが正論ならそれは直ちに拡散する様な時代になったという事でしょう。いわば「ネット上でのデモ」とでも呼べるでしょうか。

これを、科学・技術の用語で言うなら、ネット社会では、フィードバックの「応答時間」が「限りなく短くなった」と表現する事が出来ます。しかし、残念ながらですが、ネットは将来あるべき姿を指し示す「フィードフォワード」は苦手の様に見えます。それだけ、ネット社会を生きている私たちは「現実的」になり過ぎているのかも知れません。腹に入らない事に反応するのは敏感ですが、では一体どうすれば良いのか、じっくり考えて、長い時間レンジでの「より確からしい代案」を出す力がまだまだ弱い、と反省するしかなさそうなのです。この力が私たちの間に十分満ちた時、真の意味の民主主義が完成するのでしょう。その時こそ、戦後に与えられた民主主義というレジュームから「脱却」する時なのだと見ています。

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