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2015年9月11日 (金)

2801 線状降雨(水)帯

それにしても、長く続く豪雨です。昨年広島で、悲惨な山体崩落事故を引き起こした豪雨もやはり線状降雨帯が原因でしたが、今回の場合は規模と豪雨の継続期間が広島とは一桁違うような気がします。天気図を眺めると、今回は日本海に入った台風と、太平洋上にある別の台風に日本列島が挟まれていますが、特徴的なのはその規模のバランスが大きく異なるという点です。典型的な雨台風である18号は、南の海上からひどく湿った空気を引き連れて上陸し、さっさと日本海に抜けました。

これだけであれば、被害も最小限で済んだのでしょうが、今回はタイミングの悪い事に、先に発生し、もっと規模の大きな17号が太平洋上を進んでいたのでした。この台風は、実は比較的緯度の高い場所で発生し、真東方向の日本に向かって進んでいたのですが、通常の台風の様に、海洋性の暖かい湿った空気を伴っていたのではなく、どうやら北からオホーツク海の冷たい空気を引っ張り込みながら進んでいた様なのです。

今回の線状降雨帯は、この二つの、湿ってはいるが温度の大きく異なる気流がぶつかり合うまさにその境目に発生した、強力でかつ継続する上昇気流によって、厚い積乱雲が形成されていたのが原因だったのです。18号は、日本海に入ってから急に動きが遅くなったため、同じ気圧配置が長い時間続く事になったのでした。その南北に連なる線状降雨帯の真下に入ってしまった、同じく南北に流れる鬼怒川流域は、まことに運が悪い地域になってしまったと言うしかありません。

更に、もっと高い位置から気象の状況を眺めるならば、この時のジェット気流は大きく蛇行していて、日本の西側では南下し、それが太平洋上で急にUターンして、今度は北上していたのです。18号は、このUターンカーブの内側にトラップされ動けず、一方で17号は、やがてこのUターンに乗って日本列島沿いに北上を始めるのです。即ち、今回の長く続いた豪雨の遠因は、例年になく弱まって大きく蛇行したジェット気流が、運悪く日本の上に居座った事になると言えそうです。北極海の温暖化により、夏場のジェット気流の蛇行の傾向は、今後も定着する可能性が高く、今回の様に50年に1回レベルの異常気象が、今後続発する事も覚悟しておかなくてはならないかも知れません。    旅行のため2日ほど休稿です。

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