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2016年5月 9日 (月)

3004 時間短縮中毒

「便利である」、という事を別の言葉で説明するなら、要は「快適に時間が短縮できること」というと言う風になりそうです。快適に、という事は、暑さ寒さや苦痛を感じないで、しかも時間を短縮すると言う事は、より早く(速く)目的を達すると言う意味になります。暑さ寒さを感じずに、快適に過ごすには、衣服の他に屋根や壁で囲まれた、人工の環境(箱)と、エネルギーを使って、その中を温めたり、冷やしたりする必要があります。また、1馬力にも満たないヒトが、移動やモノを加工する時間を短縮するためには、機械とそれを動かすためには、やはりエネルギーに頼るしかありません。

つまり、私たちの便利・快適・時間短縮生活は、箱と機械とエネルギーによって支えられていると言えるでしょう。しかし、便利で快適な生活は私たちの気候に対する抵抗力=耐候性をかなりの程度弱めてしまいました。一方で、時間の短縮の努力は、自転車<車<鉄道<高速鉄道<航空機へと、間断なく続けられてきました。しかも、個々の交通機関は日進月歩で改良が続けられてもきました。

しかし、これらの努力に圧倒的に欠けていたのは、コストパフォーマンス(=コスパ)ではなく、「エネルギーパフォーマンス(=エネパ)」という視点だったと思うのです。つまり、快適さやスピードの加速を、数値化できると仮定すると、1単位当たりの快適さやスピードを得るために、どれだけのエネルギー単位を費やしたか、という勘定なのです。さらに細かく見ると、全てのエネルギーは、その使用によって、必ず最後は熱になって、環境や宇宙に放散されるという事実にしっかり着目する必要性があるでしょう。つまり、機械を動かせば摩擦によって必ず熱が出ますし、住宅を冷暖房すれば、壁や屋根や窓から必ずエネルギーの出入りが生ずるのです。気密性の悪い家の冷暖房程エネルギーの無駄使いの典型は見つからないでしょう。同様に、私たちは、あまりにもエネルギーの使用の無駄に無頓着すぎますし、漏れて放散するエネルギーを無視しているのです。便利・快適中毒や時間短縮中毒に付ける薬としては、結局はエネパを数値化したものしか見当たらないのです。

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