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2016年8月23日 (火)

3097 地域循環

ここでの「循環」とは、モノ・カネの循環を指します。高度成長期以前を思い起こすと、元々地域はそれぞれの狭い範囲内で、モノ・カネを循環させていました。少し規模の大きな町には、色々な家内工業や職人が居て、地域の需要を賄っていたのです。食糧はもちろん、刃物、桶・樽、調味料、農林業機械などなど、一通りの事が地域で賄えたのです。しかし、高度成長期を迎え、大量生産・大量消費を前提とする社会では、モノは設備の整った大規模工場で生産する方が「能率が良い」とされたのです。能率が良いとは、経済効率が良いとの意味ですが、一方でそれは「環境効率」が良い事は意味しません。というのも、自動化された大規模な工場では、確かに人手は最少で済むでしょうが、エネルギー消費は多大で、材料効率(部止まり)は低く留まるのです。

他方、かつての手工業は、多くの人手を掛けながら、しかしエネルギーは余り使わず、廃棄物も最少で済むのです。何故なら、かつてはエネルギー単価が高く、金属材料そのものも高価だったからです。相対的に、人件費は安かったので、手工業が成立していたのでした。しかし、環境負荷の面から考えると、大量生産・大量消費の時代は終わりにしなければならない事は明白です。エネルギーや材料の調達面、使用済み製品の廃却処理場の面から考えても、既に限界を超えてしまっているからです。

そうではなくて、私たちは再度地域循環の輪を広げ、新しい形でのモノ・カネの循環を取り戻さなければならないと思うのです。例えば、ドイツには「シュタットベルク」という、公共サービスを賄うシステムがありますが、日本で言えば水道局の様な仕組みですが、それにとどまらず、エネルギー、交通、熱供給などより広い分野の社会インフラをカバーしている点が特徴となっています。サービスを受ける側は、地域内で代金を支払うので、例えば石油会社の灯油を買う場合に比べ、地域内にお金の循環が生まれます。もちろん、そのエネルギー源は地域内に求める必要があります。バイオマスや風力やその他の再生可能型エネルギー源です。地域には、いわゆる「未利用資源」や「未利用エネルギー」が多く眠っている筈なのです。それらは、今は確かに「未利用」ですが、かつてはしっかり利用されていた筈なのです。それらを「新しい形で利用」すれば良いのです。その形は、大規模化ではなく小規模分散型である事は言うまでもありません。

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