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2016年8月25日 (木)

3098 小規模分散

大きいことは良い事ではありません。大量生産・大量消費の時代に持て囃された「大規模・集中化」ですが、もはやそれは死語になりつつあります。例えば、電力網です。かつて、電力は地方に分散する水力発電所や石炭火力発電所を核とした、ローカル企業が林立していた時代がありました。一時は40社を超える数の電力会社が存在しましたが、関東大震災を契機に集約が加速していったと言われています。現在は、10社体制まで集約化が進み、今の電力網が確立しました。もちろん、一国でありながら50Hz60Hzの混在と言う珍しい形でですが。

さて、大規模化の弊害ですが、いくつか考えられる中で、最大の問題点は送電線から生れるかも知れません。野を超え、山を越える送電線は、建設も大変な作業ですが、その維持もまた大変な労苦を求めます。災害などで、送電線網が切断されると、その影響(停電や電力制限)は長く続くでしょう。また送電線(アルミ線)の電気抵抗は、多大なジュール熱を発生させ、発電所からの正味電力に比べ、大きなロスが生まれます。荒っぽく見積れば、およそ10%弱は送電の過程で失われています事になります。送電線の建設や維持費用は当然の事ながら、電力料金に上乗せされていますから、知らない内に我々は費用を負担しているのです。他方で火力発電所や原発は「法定検査」がありますので、殆どの発電所では余剰設備を抱える事になります。数か月間の検査期間中は、予備の設備を動かす訳で、夏季のピーク電力対応を含め、30-40%の余剰設備を抱えているものと推定されます。これも電力料金のアップ要因となります。

一方で小規模分散システムとした場合は、これらの無駄をかなりの程度回避する事が出来そうです。もちろん、小規模システムでもメンテナンスを怠れば故障(停電)も生ずるでしょう。しかし、規模が小さければ小さい程、停電は狭い範囲に限定されるのです。送電ロスも生じませんし、究極の分散システムである、太陽光による屋根発電においては、夏季の冷房負荷のピークと発電ピークが上手く重なると言う、決定的なメリットが享受できるでしょう。このシステムでは、電力会社が保有する発電所は、むしろバックアップ的な使い方となるのです。

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