« 3099 小規模分散2 | トップページ | 3101 環境エネルギー »

2016年8月27日 (土)

3100 モンスター

モンスターが主役のホラー映画では、モンスターの恐ろしさは直接的には見せず、小出しにして未知の恐怖を演出するのが常套手段です。人間は、未知なるものにこそより強い恐怖を感ずるものだからです。残念ながら、ホラー映画を論ずるほど、熱心に映画を見たわけではないので、ここでは「モンスター台風」である、台風10号について考えてみます。この台風がモンスターである所以は先ずはその進路です。多くの台風は、太平洋高気圧の縁を回る様に最初は西向き、その後北上して、やがて偏西風に流され始めて速度が上がり、速度をドンドン速めながら、やがてベーリング海に消えていくと言う普通の盛衰なのですが、10号は全く異なります。

「彼女(昔は台風を女性名で呼んでいましたので・・・)」は、比較的高い緯度で台風になったものの、南下しながら西の方向にヨロヨロと進んでいきました。その後、完全にUターンし、元来たコースを折り返しながら日本に近づきつつあるのです。しかも、海水温が高いエリアをうろつきながら、その勢力もますます増強しつつあるのです。しかも、この間気まぐれな偏西風(ジェット気流)の活動は非常に弱かったのですが、今後や徐々に蛇行を強めながら、「彼女」を誘っている様なのです。

未知なる恐怖は、実は今回の台風そのものではありません。そうではなくて、今回の台風を操る偏西風と海水温度の異常事態なのです。通常吹くべき偏西風が吹かなかったり、北半球と南半球のジェット気流が交わったり、極端な形で蛇行したりするのは、結局は極地方と赤道地域、その間にある中緯度域の温度差が縮まった事が原因でしょう。結果として、中緯度域の海水温が上昇し、台風を勢いづかせます。また、同じ原因で極から吹き出す風が弱くなり、その吹き出しがコリオリの力で曲げられて生まれるジェット気流をも弱めるのです。弱い流れは当然の事ながら蛇行もし易くなるのです。しかし、本当のモンスターはと考えてみれば、それは緯度方向の温度差を小さくさせた「未知なる力」である事が分かります。それは、「単なる温暖化」だけなのか、それともエントロピー増大則に関係する未知なる害悪なのか、私たちはまだ真実を十分に知っている訳ではない様なのです。残念ながら。

|

« 3099 小規模分散2 | トップページ | 3101 環境エネルギー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185422/64116132

この記事へのトラックバック一覧です: 3100 モンスター:

« 3099 小規模分散2 | トップページ | 3101 環境エネルギー »