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2016年8月29日 (月)

3102 熱のカスケード利用

熱は高いところから低い方に伝わると言う「熱伝導則」が、誰の法則だったか忘れましたが、フーリエさんが、数学的に系統だてて体系化したのは間違いない様です。そのおかげで、私たちは熱伝導率なる係数を持ち込んで、単位時間あたりにどの程度の熱が伝わるかを計算できる様にもなりました。ところで、何故熱は高い方から低い方にだけ流れ、逆の現象は生じないのか、不思議ですが、実は逆流は起きているのです。しかし、統計的に見ると、圧倒的に少ないので、全体的に見れば、逆流は起きないと結論づけられるのです。

熱の流れは、ミクロ的には分子の熱運動(振動)の伝導という現象で説明できますが、気体や液体であればそれは「ブラウン運動」とも呼ばれます。その熱運動の程度が激しければ、温度が高いと表現し、程度が低ければ温度も低いと言われるのです。振動が完全に停止する様な極低温を「絶対零度(約-273℃)」と表現します。

さて、熱は高きから低きに流れるのですから、どんな高温度の熱を帯びた物質も、徐々に、あるいは急激に冷えて、やがて周囲の温度と同じになるまで熱の伝導は続きます。熱の伝導を妨げる手段としては、断熱材や遮熱材で流れを食い止めると言う方法があります。しかし、しっかりとした断熱・遮熱にはかなりのコストが掛かるのも間違いありません。そこで、断熱・遮熱はソコソコにしておいて、流れる熱を利用してやると言うアプローチを考えてみましょう。高いところから流れる水が、多段階で流れる滝(小滝)をカスケードと呼びますが、熱も燃焼温度の様に高い状態から、手洗いに使うぬるま湯の温度まで多段階で使い倒す事を「熱のカスケード利用」と呼びます。石油でエンジンを動かして動力を得て、その廃熱で吸収式冷房機や暖房機を動かし、更に低温度の熱でシャワー用のお湯を作ると言った具合です。一般的な表現では、これは「エネルギーのカスケード利用」とも呼ばれます。続きます。

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