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2016年8月30日 (火)

3103 キルヒホッフらの功績

3102の続きです。エネルギーの伝達に関しては、黒体の概念を考え出し輻射に関して解析したキルヒホッフの名前を忘れる訳にはいかないでしょう。彼は電気回路でも自分の名前を冠した法則を導いているので、マルチタレントの人だった様です。他方で、輻射エネルギーが物体の温度の4乗に比例する事を示した、ステファンとボルツマンの功績も、同じ程度に評価すべきでしょう。

さて、輻射エネルギーです。輻射によるエネルギーの伝搬には、「電磁波」が関わっています。電磁波とは、波長によっては「電波」と呼ばれたり、「光」と呼ばれたり、「赤外線」と呼ばれたりするものであり、電波と磁波が交互に作用し合って伝搬する、と頭の中では理解していても、手で触れる訳ではないので、何か漠然としたものを感じてしまいます。しかし、それは波長にもよりますが例えば網膜で光という電磁波は、明るさや色としてとらえる事は出来ますし、また例えば赤外線という電磁波は、火に手をかざして「温点」で暖かさとして感ずる事が出来る物理量でもある訳です。つまりは、五感で捉える事が出来る電磁波は、非常に限られた波長のものだけではありますが、生き物としての人間にはそれで十分なのです。もし、電波が目に見えたとしたら、煩わしくて気が狂ってしまうでしょう。

輻射エネルギーは、感ずる事が出来る出来ないは別して、計測器を使えば計測する事が出来る物理量です。しかも、そのエネルギーは、他のエネルギーの伝搬方法、伝導や対流に比べて桁違いに大きいのです。そもそも、比べるべくもないくらい桁違いなので、比べるのが失礼なほどなのです。その証拠は、太陽を例に引けば十分でしょう。極寒、暗黒の宇宙空間で、地球が今の気温を保って居られるのは、ほぼ太陽表面からの輻射エネルギーが地球表面を暖め続けて居てくれる「お蔭」だと言うしかないでしょう。冷え続ける地球内部からの「伝導」による熱流なんぞは、時たま起こる火山噴火や温泉入浴などでしか感ずる事は出来ないでしょう。

残念ながら、輻射エネルギーは、例えば蓄熱槽などで、高温媒体の内部エネルギーとして蓄える他は、実用的な方法が発明されていません。それでも、太陽輻射を温水の形で蓄える、太陽熱温水器は重要な発明品である事は間違いないでしょう。少なくとも、一晩以上は、太陽の暖かさを「蓄える」事が出来るからです。太陽で沸かしたお風呂に浸かり、キルヒホッフやステファンやボルツマンの功績に感謝するのは至福の時間となるでしょう。

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