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2016年8月31日 (水)

3104 輻射のコントロール

熱の伝導や対流を防ぐのが「断熱」なら、エネルギーの輻射を制御するのは「遮熱」という事になるのでしょう。私たちは、これまで省エネルギーと言えば、「断熱だ」と刷り込まれていた様な気がします。だからこそ、ビルや住宅でも、壁や屋根の断熱に集中的にコストを掛けてきたのです。しかし、ここにきて屋根や、壁面や、窓の「遮熱」が注目を浴びてきました。屋根には遮熱ペイントを、壁面には遮熱サイディングを、窓には遮熱フィルムを貼るなどの方法で、太陽光からの入熱を抑えてやる方法です。遮熱面の性能にもよりますが、これは冬期の室内からの熱の放散にも有効な場合もあるので、更なる研究・開発が望まれます。

というのも、遮熱は物体からの輻射(放射)を制限するためには、その温度に応じた電磁波(この場合は赤外線ですが)の波長に見合った反射面を選択する必要があるので、太陽光の遮熱と遠赤外線の遮熱では、遮熱面の性状には微妙な違いが求められるからです。十分に滑らかな「鏡面」であれば、かなりの幅の電磁波を反射する事が可能ですが、だからと言って建物全体をピカピカの「銀色」に統一する訳にもいきません。とは言いながら、最近のビルは外から見るとまるで鏡の様に眩しく感ずるものも増えてきているのは間違いありません。

輻射のコントロールにおいて反射面の応用は、工場設備などでも考えられるでしょう。例えば、ロータリーキルンやボイラなど、エネルギーを多量に消費し、表面温度もそれなりに髙い設備からは、多量のエネルギーが輻射の形で失われてしまいます。それを、断熱材と遮熱材を組み合わせて防止するのはもちろんですが、逆に凹面の遮熱材で輻射熱を集めて、一点に集中させれば、放散エネルギーを高いレベルで「リサイクル」出来る可能性も生まれるでしょう。これは、例えば太陽光を虫眼鏡で集めて、紙を焦がすのと同様だと考えれば良いでしょう。

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