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2016年9月 3日 (土)

3107 異常台風と山の津波

よく山に登ります。登山口へのアプローチでは、山間の幅の狭い川に沿った道を、クネクネと辿る事が多いのです。その道すがら、かなり山深い場所でも、狭い平地があると小さな集落が現れます。その昔は、子供の姿も見られたのでしょうが、今は高齢化が進みひっそりとしているのが普通です。しかし、考えてみれば川沿いの道に平地が現れるという事は、地形的にはそこは「氾濫原」であった事の証左に他ならないのです。そこは、太古の昔から、それこそ何度も何度も洪水に見舞われ、岩や砂利や砂が堆積して、今の姿になった筈なのです。

山は高い場所は自然林に、道から比較的近い場所は人工林に覆われているのが普通ですから、少々の雨で洪水が起こる事は無いのですが、今回の様に東北、北海道にしては、未曾有の集中的な降雨によって、森林の保水力を超えた量の水がドッと川に流れ込んだのでした。その結果、氾濫原が新たな土砂でリセットされてしまったという状況でしょう。

何故、東北日本では、西日本に比べて降雨量が少なかったのかと考えれば、それは海面温度に関係があるとするのが普通でしょう。台風の雲が持ち込んだ湿気の貯金は、進路途中で降らす雨量が多くなるにつれて、急速に減ってしまいます。しかし、今回はかなり高い緯度まで、高温のままであった海面から、たっぷりと湿気を供給され続けた台風が、直接東北地方に上陸し、雨雲が北海道にも掛かった結果、今回の様な予想を大きく超える災害につながったと思われます。

私たちは、今後台風に向き合う時、これまでの「常識」を捨てる必要がありそうです。これまでの常識とは、台風は台湾辺りの緯度で発生し、暖かい南の海で発達しながら北上して西日本に接近し、やがて偏西風に流されながら日本列島を縦断して北太平洋で低気圧になって消えるパターンを辿る、と言ったものです。しかし、その常識は、今回の異常台風で否定されつつあると考えるべきなのでしょう。高い緯度まで髙くなった海面温度と、吹き出しが弱くひどくなって蛇行し易い偏西風の組合せが、今回の様な異常台風が、ごく普通の台風になる可能性が出てきたと、覚悟を決めるべき時なのかも知れません。

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