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2016年10月28日 (金)

3147 先端産業?

前前職で航空機製造に携わっていた事もあり、時々各地の航空機分野への参入セミナー等の講師を依頼されます。とは言いながら、ホンネで言えば、多くの企業の新規参入が実現したとしても、将来それらの企業の事業の柱になるほどの仕事量は発生しないとも見ているのです。理由は、民間航空機(主に旅客機の事を指しますが)の分野で、やっとM社が名乗りを上げたとはいえ、YS-11の生産終了f後の非常に長い時間(約半世紀です)、この国では民間航空機の開発が絶えて無かった事があります。その間は、殆どの全てのリソースを、B国の大手航空機メーカーの下請けになり下がっていたのでした。製造のノウハウを蓄積出来た後も、国も企業もリスクを取るための「手を挙げる」事もなく、諾々として下請け仕事をこなしてきたのでした。

もちろん、航空機を作るための複合材分野では、国内の大手繊維メーカーが大きなシェアを握っては居りますが、その他の航空機用材料(ジュラルミンやチタンや鉄系材料)のほぼ全ては輸入に頼っている情けない状況ではあります。国内の航空機市場は小さいので、製造された殆どの航空機や航空機部材は、輸出される事になるのですが、結果的には為替の影響をもろに被ります。円安なら何とか息が出来ますが、円高局面になると途端に赤字に転落する体質は、昔も今も変わらないでしょう。

さて、航空機産業の一体何が先端産業なのかと問われても、数十年前に実用化されたカーボン繊維+エポキシ樹脂の、いわゆる複合材や、アルミやチタンを多用した、軽量・高剛性のモノコック構造位しか思い当らないのです。それらの技術が、そのまま民生品に応用できる筈もなく、例外的にゴルフクラブや釣竿やテニスラケット等の趣味製品に応用された程度だったのです。もし、航空機の構造が、車で実現出来たとすれば、車の燃費は飛躍的に向上する事でしょう。今、1トンを超えるクラスの車でも、多分その重量を半分以下には出来るからです。しかし、コスト的に見れば、家が1軒買えるくらいの値段のスポーツカーには使えるにしても、量産車には所詮無縁の技術だと言えるでしょう。もし真面目に先端技術に取り組む気があるのであれば、品質要求だけが矢鱈と厳しくて、儲からない航空機産業に向かうのではなく、航空機材料や製造技術のコストを一桁小さくして、民生品にも使える様にする努力こと意味があると思うのです。

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