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2016年11月 1日 (火)

3150 リサイクル2

リサイクル分野で有望なのは、リサイクルにより戻された材料が、元々の素材より品質が向上する「アップグレード・リサイクル」でしょうか。品質が向上するという事は、つまりは「純度」が上がる事を意味します。金属であれ、プラスチック類であれ、リサイクルの過程でどうしても、好ましくない不純物が混入してしまいます。しかし、絶対に不純物を入れない工夫を重ねたにしても、リサイクル材料がオリジナルの材料の性能を超える事はありません。

アップグレード・リサイクルとは、この壁を打ち破る方法で、例えば化学的あるいは物理的に、材料の純度を上げるのですが、もちろん簡単な話ではない事は想像できます。例えば、しっかりと結びついた合金から、合金元素だけを抜き出す事は至難のワザなのです。もちろん、炭素鋼から炭素を抜き出す事は、水素で還元すれば良いので比較的簡単ですが、ステンレス鋼からクロムやニッケルを分離する事は事実上無理な話になります。現状でステンレスがリサイクル出来ているのは、リサイクル材を溶解する過程で、取鍋(とりべ)分析を行い、不足している合金元素を加えて、例えば組成がJISで言う18-8ステンレスの組成範囲に入る様に調整しているのです。

しかし、例えば電気分解を使うとか、金属をプラズマ化した状態で捕集するとか、何らかの工夫を加えれば、例えば「純鉄」を分離する事は可能の様に思えます。純鉄は、事実上腐食しないので、鉄の新たな用途として注目されていますし、磁気材料や電気材料として新たな用途が開ける可能性も高いのです。二束三文の屑鉄から、高価な「貴金属」を生み出す事が、即ちアップグレードと呼ばれる所以なのです。同様に、プラチック類に置いても、同様な展開が考えられますが、こちらは分離に成功しても、材料の単価が低いので、それ程のメリットが出るかどうかは、やや疑問が残りますが、いずれにしても不要となった廃プラや屑金属を、異種のものは絶対に混ぜないシステム作りが不可欠である事は言うまでもありません。それは、かつては飲み物や液体はガラス瓶だけで流通し、ビン類は有料で回収される「リターナブル容器」であった事実を思い出す必要があります。つまり、空容器は値打ちが無いゴミではなく、有価で取引される「資源」である事の社会的合意が不可欠なのです。その意味で、この国はまだまだ「環境後進国」であると断ずるしかありません。

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