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2016年11月 8日 (火)

3156 赤外線を見直す2

赤外線が、生き物のエネルギー源だとしても、それを蓄える事は出来ません。電磁波の一種でもある赤外線は、物体や生物に当たると反射するか、あるいは物体表面の温度を少し上げて、より波長の長い(エネルギーレベルの低い)赤外線となって、宇宙に飛び去るのです。物体表面の温度を上げるのは、赤外線が持つエネルギーが、物体を構成する分子に伝わり、分子の「熱振動」が少し活発になる(=温度が上がる)からなのですが、赤外線自体のエネルギーレベルは、元々低いので、太陽光の様な強い輻射でも、皮膚が少し暖かく感ずるほどか、精々温水が作れる程度に留まるのです。

さて、そうではありますが、赤外線を上手く活用するか否かは、生き物の快適性やひいては生き死にも影響を与える訳で、あだや疎かには出来ません。物体には、二次的に赤外線を出しやすいもの、あるいは赤外線を吸収しやすいもの、更には反射し易いものなど、物理的に大きな違いがあります。例えば、黒鉛(グラファイト)や金属酸化物の多くは、その物体の温度が上昇した時、より多くの赤外線を放出する機能が髙いのです。反対に、鏡面を作り出せる金属(金・銀やステンレス鋼やアルミ、スズなど)表面は、赤外線の殆どを反射してしまいます。それは、石油ストーブなどの発熱体の後部が、鏡面になっている事でも分かるでしょう。また例えば、表面にススを付着させた様な(黒体に近い)表面では、赤外線のエネルギーン大奥が吸収される訳です。太陽熱温水器の集熱面が、マットブラックになっている所以です。

同様に、繊維の中にも赤外線に関して機能を持つものも開発されてきました。発熱繊維と呼ばれる、水分を吸収して少し温度が上がるもの、あるいは温度の上昇した空気を抱え込むもの、更には体温を受け取って、赤外線を体に送り返すものなどがありますが、いずれにしてもその着用によって、寒冷期の体感温度をやや上昇させる事が出来るものとなっています。

この項をまとめると、最終的に赤外線機能の再重要な因子は、「体感温度」であると言えるでしょう。赤外線を受け取って寒くなく暑くなく、暖かで快適な体感温度に感ずる様に、住居や衣服や冷暖房によって、積極的に調節している動物が、唯一人間であると言えるでしょう。もちろん、動物も夏毛や冬毛や脂肪の厚みによってパッシブには調整はしているのでしょうが、体温が限度以下に下がれば凍死してしまうしかないのです。

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