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2016年12月 2日 (金)

3174 バイオマス発電?

この言葉に違和感を感ずるのは、投稿者が環境人間に近づいているからかも知れません。と言うのも、「バイオマス」と「発電」とは、なかなか馴染まない、というより極端に言えば水と油の様な関係ではないかと思うからです。熱で電気を起こすには、当然の事ながら熱力学の法則に従った「火力発電所」を建設しなければなりません。法則によれば、発電効率は発生させる熱の温度が高い程良くなります。しかし、例えば蒸気を発生させるボイラを構成する材料(主に鉄系材料)の耐熱温度の制限から、闇雲に高くすることはできません。精々500-600℃が実用的には現在の上限と言っても良いでしょう。もちろん、より耐熱性の高い金属を利用し、温度と圧力をさらに高める事も可能なのでしょうが、コスト的に引き合わないジレンマに陥るだけでしょう。

かなり頑張っても、現状の最高水準でも例えば熱効率で45%を実現するのが精々でしょう。その意味するところは、発生させた熱量の55%は、大気と海に捨ててしまうと言う事なのです。石油や天然ガスと言った、「燃やし易い」燃料でさえこうですから、燃やしにくい固形燃料である「バイオマス燃料」に至っては、そもそも発生させる燃焼ガスの温度は、かなり低いレベルで我慢しなければならないのです。それは、熱効率も低いレベルで満足しなければならないのです。

もちろん、発生させた熱を熱のままで利用する場合は、結果(熱効率)は異なってきます。一般的に、良く設計されたボイラは、90%以上の熱効率を持って居ますので、燃やした燃料の持つエネルギーの殆どが回収できるのです。従って、それを熱として利用する限りにおいては、熱を送る仕組み(例えばパイプライン)からの放熱による損失だけに留まるでしょう。これは、先ほどの発電所からの熱損失である55%に比べれば、問題にならない程小さくて済むでしょう。

その意味においては、バイオマス発電は、発電システムから捨て去れられる廃熱を、例えば暖房や冷房や給湯の目的に「カスケード利用」する事を前提にする場合のみ許される選択肢だと言っても良いでしょう。然るに、FITの買取り価格に誤魔化される形で、各地で大規模なバイオマス発電所が建設され、その熱利用がなされないプラントにどんな意味があるというのでしょう。その燃料を、海外からの輸入に頼るケースに至っては、何をかいわんやでしょう。

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