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2016年12月22日 (木)

3189 直陸出来ない飛行機

FB上の、廃炉決定のMんじゅを指して、「まるで着陸(廃炉)が出来ない飛行機の様だ」、とのコメントが胸に刺さりました。と言うのも、元技術屋としてツラツラ振り返るに、我々技術屋が果たしてその装置や機械や設備の廃棄まで想定して作ってきたか、と言う痛烈な反省が湧きあがるからです。例えば、車です。自動車リサイクル法が出来て以降、確かに少しは分解を想定した車体や部品の設計が考えられては居るのでしょうが、当然の事ながら分解しやすさは、他方で使用中の緩みやすさや外れやすさと言うリスクも生ずるわけです。

そうなると、設計者がユーザーの安全性を重視すると言う「御旗」を掲げるならば、当然の事ながら緩みにくいナットなどを多用するしかないでしょう。そうだとしても、かなりの部分は技術屋の「言い訳」だというしかありません。少しだけコストを掛ければ、ワンタッチで結合し、緩みにくく、かつワンタッチで分解できる様なボルトナットや結合方法の採用が可能だからです。1円でもコストを削る事を要求される開発現場では、つい言い訳をしたがるのも無理もないのかも知れません。しかし、例えば素材の種類を統一するくらいの努力は、コストアップにも逆行しませんし、リサイクルの立場から見ると、グッと楽になる筈なのです。つまり、車の数万点の部品の素材が、もし10種類くらいに分類できれば、どんなにリサイクルが楽に出来るか容易に想像できるでしょう。

Mんじゅの場合、廃炉の障害は、減速材として多量に使われている金属ナトリウムの存在だと想像しています。水で冷却する通常の原発に比べ、高速増殖炉と呼ばれる「Mんじゅ」で使われている金属ナトリウムは、中性子をあまり減速させない冷却材としての必然性があって採用されては居るのですが、では放射能で汚染されたナトリウムの処理方法など、技術者の頭の中には殆ど無かったであろうと想像しています。それより、多額の税金を背負っているが故に、一日も早く動かすという圧力が強かったに違いありません。だからこそ、安易に管路の中に折れやすい形で温度計の鞘を取り付け、それが折れてナトリウム漏れ事故を起こしてしまった訳です。もちろん事故当時は、放射能で汚染された金属ナトリウムの処理方法など、全く想定外だったに違いありません。

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