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2017年3月28日 (火)

3253 付託と忖度

今回は、最新の流行語を取り上げます。文字にすれば、付と忖はニン偏とリッシン偏の違いだけなので、託と度の違いはあるにしても、一見ではどっちがどっちか分からなくなりますが、付託と忖度は、この国ではどうやら180℃すれ違う言葉の様なのです。前者は、例えば有権者が政治家にマツリゴトを「付託」するなどして使われる言葉ですが、ではその付託を受けた政治家が、有権者を忖度してくれているのか、と問われれば、そんなことはなく、政治家の取り巻き(=官僚)が票集めに協力するために、「先生」(ら)が望んでいる利益誘導の意向を忖度する程度の、狭い意味合いしか持たない言葉に成り下がっている様です。つまり、忖度は今や完全に「政治用語」になっているのです。しかも、付託に対する回答としての忖度ではなく、専ら政治家が利用する「権利」の様な意味になってしまった様なのです。

こうなっては、国語辞典の意味を改訂するしかなさそうです。つまり、

[名](スル)ひそかに政治家に有利なる様に状況を推し量ること。「先生の下心を―する」

などと改訂するしかない言葉になったというしかありません。今回の「事件」を通じて、上記の意味は完全に確定したのですから。忖度が政治用語になってしまったからには仕方がありませんが、本来の日本語では上記に意味においては「斟酌」を使うべきだったのでしょう。つまり、酒を酌み交わすときの様に、相手の杯が空になった時に、間髪を入れずに酒を注ぐか、あるいは少し間をおいて注ぐべきか、あるいはFAXを送るべきか、埋設物を過大に評価すべきかなどの、相手の意向を察知する、という行動を指す言葉だからです。

冗談はさておき、言葉は便利なものですか、使い方によっては怖いものでもあります。政治家はいわば言葉使いのプロでもある訳ですから、付託と忖度は互いに対の言葉として正しく使って欲しかったのですが、忖度の意味が今回の事件で「貶めらえた(捻じ曲げられた)」事を残念に思う者の一人です。

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