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2017年4月 5日 (水)

3259 新冷媒

3258の続きです。これまで、ヒートポンプの冷媒はフロン系のガスが主流でした。フロンは、非常に安定なガスで、長期間の使用でも劣化が少ない事が理由です。しかし、あまりにも多量のフロンガスが使用され、製品の廃棄に伴って、回収されずに大気放出されたガスが、成層圏まで上昇して、オゾン層を破壊続けることが分かって、国際的な製造・使用の廃止が決議されたのでした。(1987年、モントリオール議定書など)

一方で、フロンやその後開発された代替フロン類も、オゾン層への影響はかなり軽減されたものの、強力な温室効果ガスであることが明らかにされて、この国でも「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」として、使用や排出規制の対象としています。その中で、炭化水素系やCO2系の、いわゆる「ノンフロン系」の冷媒が注目されてきたのです。炭化水素系は引火性の問題があるのと、CO2系はそのためのコンプレッサーの開発が必要で、既存のシステムの冷媒としては使えないなどの障害があって、未だに社会の隅々にまで浸透してしまったエアコンの多くはフロンガス系の冷媒を抱えたままになっているのです。

しかし、例えば新冷媒であるHB-156は、R-22の代替として理想的で、しかもより小さなパワーで圧縮・液化が可能であるため、1割程度の省エネにつながるというオマケも付いて居るのです。投稿者としては、もう一つ有望なノンフロン冷媒にも注目しています。これはR-1222HCFC系冷媒や、R-400系のHFC代替として開発された、R-441aやR-443aなどの炭化水素系の冷媒です。これは、省エネ効果がさらに大きく、入れ替えにより電力の3割減が可能となるものです。とは言いながら、炭化水素系はその成分がプロパンやイソブタンなどの強燃性ガスであり、システムからの漏洩による爆発・火災事故が懸念されるリスクも含むものでもあります。しかし、考えてみれば、都市ガスやプロパンガスなども屋内配管はされている訳で、同程度の安全管理でリスク対応は可能だとも言えるでしょう。

それにつけても、GM社がかつてデュポン社と共同開発し、世界中に広まった結果、地球環境に甚大な影響を与えるまでに大量に使われたフロンガスに代わる、温室効果が小さく、安全でしかも省エネにもつながる究極の冷媒ガスの出現が待たれます。世界中の化学メーカーが本気になって努力すれば、それは十分可能だとも思うのです。

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