« 3265 バイオマス生活 | トップページ | 3267 かと言って軽少短薄? »

2017年4月12日 (水)

3266 重工長大産業の限界

同じ様な表題で何度か書いたような気もしますが、最近の世情を眺めていると、再度警鐘を書き記して置く必要がありそうに思うのです。T芝の巨額赤字や不良債権隠しがやっと、と言うか一応俎上された様ですが、額は少なくともM菱やH立など、原子力に関わる企業でも同様の損害を出している筈です。それと言うのも、過去のある時期お国が原発再加速政策を打ち上げ、重工各社がそれに乗っかって事業拡大を図った時期があったからです。手っ取り早い事業拡大策は、つまりは企業買収でしょう。各社は、大金を握りしめて欧米の原子力企業の買収に走ったのでした。

重厚長大産業のシンボルは、かつては鉄鋼、造船業でした。しかし、途上国の親切な技術指導に力を入れた結果、K国やBラジルやC国などにお株を奪われ、シェアを大きく減らしたのでした。造船業の凋落は、日々悪化していると報じられる通りです。その後、重工はローリングストック(鉄道などです)産業に力を入れましたが、それもC国にコピーされて国際入札では苦戦しています。ならばと力を入れた航空機産業も、B社に上手く立ち回られ「万年下請け」に甘んじている状況です。起死回生策として、半世紀ぶりで開発中の国産旅客機は、開発のべた遅れで立ち上がったとしてもビジネスとしての成功には「赤信号」が点滅している状況です。

結局、重厚長大産業とは、社会インフラ産業であると括弧で括る事が出来るでしょう。この国の社会インフラは、殆ど煮詰まってしまい、今後は維持に力を入れなければならない時期に入っています。一方で、途上国が求めている社会インフラは、決して原発や新幹線やジェット旅客機ではない事は明らかでしょう。求めているのは、それ以前の基本的なインフラ、例えば水道事業や基本的でシンプルな(投資の小さな)流通インフラである事は自明です。結局、20世紀型の産業である出番はほぼ終わったと考えるべきなのでしょう。輸出を考えるのであれば、輸出先の国情を踏まえた製品を並べるべきでしょうし、国内産業として考えるなら、作ってしまった膨大なインフラを長持ちさせるためのメンテナンス産業にこそ力こぶを入れるべきでしょう。T芝の躓きを詳細に検証し、他社も早急な路線転換を始めるべき時です。リニア新幹線など作っている余裕は、この国には残されてはいないのです。

|

« 3265 バイオマス生活 | トップページ | 3267 かと言って軽少短薄? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185422/65139625

この記事へのトラックバック一覧です: 3266 重工長大産業の限界:

« 3265 バイオマス生活 | トップページ | 3267 かと言って軽少短薄? »