« 3292 問題発見力2 | トップページ | 3294 〇際問題 »

2017年5月20日 (土)

3293 問題発見力3

自分自身の反省を含めて、技術者の問題発見力についてさらに考えてみます。技術者とは、科学的知見を利用して、社会の課題を解決するモノやシステムを提供する人々だと定義しても良いでしょう。彼らは、一つの課題が与えられると、それを満たすための最良の解を出そうと、過去の知見や技術を組み合わせたり、全く新しい技術を開発したりしながら必死に努力します。通常企業は、利益を出すためのビジネスプランを立てて、それを達成するためのプロジェクトを立ち上げます。もちろん、期間がいくら長引いても、あるいは開発費が膨らんでも、それが許される訳ではありません。どちらにも厳しい「制約条件」が課せられるのが通常でしょう。

しかし、もし一技術者にこの国の、社会の、あるいは企業の置かれた課題や問題点は何か、と問うたとしても返ってくるのは???でしょう。彼らは、課題を上から与えられる事に慣れ過ぎて、問題を掘り起こす訓練を怠ってきた結果、いつの間にかそれが不得手になっているのです。それは、技術者が起業する例が、非常に稀である事でも明らかでしょう。統計を見た訳ではありませんが、この国では起業家の多くは、いわゆる文系出身者である事が多いのです。それは、技術者は科学技術の事だけ学んでおけば良い、と言う左右を眺める事を良しとしないいわゆる「競馬馬教育」に問題があった様に思うのです。

それは、中学校を卒業してから5年間に亘って、連続しての工学教育を施す学校を卒業した投稿者故の感想という訳ではなく、その10倍の数に上る大学工学部のOBにも当てはまると思うのです。小難しい理論や公式や演習問題がぎっしりと書かれた分厚い教科書と格闘し、苦労して及第点を取って学校を出ても、先ずは簡単な部品の設計と言う課題を与えられてエンジニアとしてのキャリアを始めるだろう多くの技術者には、問題発見力が極端に不足するだろうことは明白です。そうではなくて、良い技術者を育てるためには、先ず彼・彼女をアフターサービス等広く顧客や社会に触れる機会の多い部門に放り込むべきでしょう。そこでは、顧客のニーズや自社製品の弱点や、今後開発すべき製品のイメージを膨らますことが出来る筈です。その上で、現場でモノ造りの基礎を学んだ上で、やっと本格的な製品開発や設計が出来るエンジニアになってくれる事でしょう。

|

« 3292 問題発見力2 | トップページ | 3294 〇際問題 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185422/65302404

この記事へのトラックバック一覧です: 3293 問題発見力3:

« 3292 問題発見力2 | トップページ | 3294 〇際問題 »