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2017年5月21日 (日)

3294 〇際問題

最近〇際と言う言葉が気になります。例えば、国際、学際、業際と言った言葉です。「際」には、何か境界と言った響きがありますので、国際と言っても、あくまでも境界(国境)を前提とした言葉ではある訳です。ヨーロッパでは、事実上国境を廃止すると言う「実験」が続いては居ますが、それとて「EU」と言う地域とそれ以外の地域との際が問題となって、ゴタゴタが絶える事はない状況です。つまり、〇際という言葉には常に「問題」と言う修飾語が後ろに付いていると考えねばならないでしょう。つまり、国際と言う言葉は常に国際問題を抱えている訳です。国際交流や国際交渉と言った言葉も、それらの諸問題を解決しようとする試みに過ぎないということでしょう。

さて、学際です。学問の世界でも、○○学と言ったそれぞれの象牙の塔に明確な境界線を引き、○○学者や専門家といったカテゴリーに属する事を是としてきたと振り返っています。では学際問題とは何かですが、それは「タコツボ現象」と言う言葉に集約できそうです。あるいは、「お山の大将現象」と言っても良いかも知れません。自分が活動するテリトリーでは専門家ではあっても、タコツボの外や他のお山の状態は与り知らないといった状況を指します。その結果起こる事は、言わゆる専門バカという困った状況です。ある出来事は、森羅万象の中でこそ正確に把握できるのに、専門領域の中で議論すると思いもよらない「偏見」に陥ってしまう事も多いのです。例えば乗り物(車や航空機など)の事故を、ハード面からだけ議論するのは問題の本質を大きく外します。事故は、その乗り物を操縦する運転者の真理面や健康状態、あるいは交通インフラとの関連、天候や運転席の環境などまで関連する筈だからです。つまり、真の事故原因は「学際的」に追求しなければ、全容は掴めないと思うのです。

では業際問題はどうでしょう。これこそ、今最重要課題として据えるべきテーマだと思っています。製品は、特にコンシューマープロダクトは、単に機能だけ満足すればそれで良しとするものではない筈です。消費者が手に取る製品であれば、見た目のデザインや細部の出来栄え、あるいは手触りと言った「官能的要素」、長年使っても飽きの来ない使い勝手の良さ、更に言えば所有し使うことの満足感などを総合した指数で評価されるべきでしょう。つまり、モノの製造は単に優秀な技術者集団が居れば済むといった単純なものではないのでしょう。形状デザイナー、消費者心理に明るい人材、いまどきのIoTの専門家、素材の専門家、環境負荷の専門家、更に言えばそれを総合的にコントロールするプロデューサーを忘れてはならないでしょう。この国の製品は確かに機能は優れてはいるのでしょうが、決定的に足りないものは学際、業際への考慮だと思っています。

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