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2017年5月31日 (水)

3303 最先端産業2

どの様な技術を磨けば、最先端産業のなるのかをもう少し掘り下げて考えてみます。先ずは軽量化技術です。航空機で多用される複合材ですが、何が「複合」かと言えば、それはカーボン繊維とエポキシ樹脂の融合なのです。繊維は引っ張り強度を受け持つ一方、圧縮に強い樹脂は剛性を保つのに力を発揮します。しかし、厚みの必要な構造の場合、複合材だけではまだ重いので、複合材を皮として「アンコ」の部分には、更に軽量で剛性アップに効果的な、コア材(例えばハニカムコアや発泡材であるロハセルコアなどです)を入れるのです。もちろん、樹脂にはPPPE等の量産品で安価な材料も存在はしますが、残念ながら現在のところエポキシ樹脂に勝る耐圧縮性に勝る、あるいは安価な樹脂が開発されていないのです。

つまり、複合材の分野でも。カーボン繊維の様に電気を通さず(CFRPには雷が落ちて燃えます)、しかも強度が高い繊維や、エポキシ樹脂に変る高い圧縮強度の樹脂やさらには、もっと軽量で歪に耐えるコア材が開発できれば、もう一段の軽量化技術を磨くことも十分可能なのです。繊維屋さんや樹脂屋さんにはもう一段のブラッシュアップを期待したいものです。

軽量化に関してもう少し話を広げれば、軽量化設計技術があります。航空機には、離着陸時や飛行時に種々の荷重が掛かります。例えば主翼の付け根には、駐機時には翼の内部にたっぷり入れられている燃料の重みが掛かりますが、飛行時には翼面の浮力でそれがキャンセルされて、逆に胴体の重みで逆向きの大きな荷重が作用するのです。それは、駐機時にはダランと下がっている翼が、飛行時には逆に上側にはね上がっている事でも分かります。また、翼は重いエンジンをぶら下げる強度も必要で、飛行中は気流や操縦によりねじりや振動する力も掛かるのです。それらの荷重に抵抗するために、翼の中には多数の骨材やリブ(肋骨)が配置されていますが、それを最適に配置し、しかし最軽量に納めるのは、コンピュータに支援された「設計技術」である訳です。荷重が入る場所に、適正な「必要かつ十分」の骨を入れ、外側を強靭な皮膚である新複合材で包めば、最強の構造となるでしょう。その際参考にすべきは、自然界の造形でしょう。タンパク質やカルシウムと言ったありふれた素材だけ出来上がっていて、何千キロも海を越えて移動する渡り鳥の羽根の構造には、いまどきの最先端技術なんかはチャンちゃらおかしい程の「秘密」が隠されている筈なのです。最先端のK/Wの一つは、間違いなく生物に学ぶbiomimiclyです。飛行の事は鳥に聞け・・・。

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