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2017年6月 1日 (木)

3304 最先端産業3

この表題を更に掘り下げてみます。例えば、車産業の世界では、いまやHVPHVは当たり前で、最先端はEVFCV、自動運転などでしょうか。中でも、燃料電池を搭載したFCVは、次世代の車として日夜研究が進められていると想像しています。しかし、解決されていないのは、水素をどの様にして手に入れるかと言う根本課題です。石油や天然ガスの改質で作るのであれば、結局分離されて不要となったCO2が大気に放出される訳ですから、直接燃やすのと実質的には変らないでしょう。排気管から直接出るか、工場の煙突から出るかの違いだけです。他方、EVにしたって、エネルギー源が火力発電所や原発である限りにおいては、FCVの問題と何ら差はありません。

結論から言えば、最先端産業であり続けるためのもう一つのK/Wは、触媒だと断言しても良さそうです。ここでの触媒とは、太陽光だけをエネルギー源にして、水を酸素と水素に分離する機能を持つものを指します。既に、光触媒の代表選手でもある「酸化チタン」がその候補となって長いのですが、如何せん効率が数%しか達成できなかったので、経済的に実用化に至っておりませんでした。最近、酸化チタンと他の複数の触媒との併せ技で効率をかなり向上させる事に成功したとの報道があり、「やれば出来るじゃん」と言う感想を持った次第です。触媒の歴史は、結構トライ&エラーの世界ではなかったかと振り返っています。反応を起こしたり、分解するのに触媒が有効なのは、その際のエネルギー準位のハードルを下げる役割があるからですが、一つの触媒だけで少ししか下がらなくとも、複数用いて多段階に下げる事で、これまでできなかった反応を実現したり、効率をアップさせたり出来るのでしょう。

いまどきは、試験にもロボットが使えるので、種々の触媒を混ぜたり、それを溶液に入れて反応を促進させたりする実験も、かなりの程度は自動化も出来るでしょう。また触媒には、溶液で作用するものと、気中で(あるいは相を問わずに)作用するものなどがあり、組み合わせは事実上無限だと言えます。もちろん、現在の技術では、触媒の分子構造のどの部分が「効く」のかが判明しているものも多く、新たな触媒をデザインして創出する事も部分的には可能になってもいるでしょう。繰り返しますが、最先端の別のK/Wは「触媒の探索」だと言っておきます。

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