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2017年6月19日 (月)

3316 アスベスト問題

NHKで取り上げられた公営住宅における室内でのアスベスト吹付問題については、全く行政の怠慢としか言いようがありません。アスベスト問題は、その使用が停止されて終わりという問題ではないからです。飛散したアスベスト繊維を吸引した人が発症するのは、下手をすれば数十年後というケースもあり、静かなる時限爆弾と呼ばれる所以です。数十年前に建てられた公営住宅の天井裏などに、断熱・防音あるいは結露対策として、アスベストの吹き付け塗装が行われた訳ですが、その図面や工事記録が廃棄されているケースが多かったのが大問題になっているのです。

実際の建物にアスベストが残っているかどうかは、実際に壁や天井の吹き付け物を採取し、検査を行ってみないと事実が判明しないのです。これは非常に手間の掛かる調査で、かつ住人の移動によって、アスベスト被害の発生する可能性がある人は、事実上把握できないのではないかと懸念されます。

かくなる上は、可能性がある人たちに、健康診断を受けてもらい、疑わしい人たちにはさらに精密な診断を行う、消極的な作戦しか残っていない様に思えます。アスベストは、何も住宅に限った話ではなく、使用が中止された後でも、例えば屋根材などには数%のアスベストの添加が認められていたのです。同時期には、車や鉄道車両や航空機のブレーキパッドにもアスベストが使われていましたので、それらが大気中に飛散し、今年配となった人たちは、知らず知らずのうちに吸引していた可能性も高いのです。いずれにしても、発症の可能性のある人を絞り込まず、初期症状の内に発見・治療できるような啓発活動が欠かせない動きになるでしょう。アスベスト問題は、終わったのではなく、今回の報道でむしろ今後数十年続く長期的な問題であると再認識されただけなのです。

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