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2017年6月24日 (土)

3319 シュリンクの難しさ

出張から戻って投稿再開です。さて、21世紀入って少し経った頃にこの国の人口はピークを打ち、減少局面に入りました。偶然ですが石油埋蔵量の半分を消費してしまった時期にも重なります。人口減が加速し、エネルギー源も心細くなってくる今後、考えなければならないのは社会の縮小という課題です。人口がドンドン増え続けた高度成長には、社会が膨張しました。例えば、特に人口の集中が著しかった東京を中心とする関東圏では、山を削り、谷を埋め、それでも足りなくなって先祖伝来の田畑を潰して、工場団地や住宅地を増やし続けました。都市部では、川の上に道路を懸け、地下にはモグラの様に地下鉄を張り巡らし、高層住宅を雨後のタケノコの様に増やし続けてきたのです。結果として、村が町になり、それがさらに市となって膨張をつづけたのでした。今、関東平野を新幹線で進む時、家並みが全く途切れる事無く続くのを見て、唖然とさせられます。東京と衛星都市の間に近郊農業の農地が広がっていた関東平野のイメージは、既に過去のものとなってしまっていたのです。

しかし、その都市部でも、古い大規模団地や下町などでは、既に少子高齢化が顕著になってきています。高度成長に広げ続けた社会インフラ、つまりは道路、上下水道や道路、公共施設などは、多くの自治体で既に「お荷物」になりつつあるのです。広がりきったインフラは、既に耐用年数を超えている部分の比率が増えて、今後はメンテンナンスや更新の費用が自治体の財政を圧迫し続ける事は素人が考えても容易に想像できるでしょう。事実、上下水道の漏れ事故による道路の陥没事故は、既に日常茶飯事になってきました。

早急に考えなければならないのは、たぶん都市をシュリンクさせる事だと思うのです。広がりきった都市を縮小させるのは、しかし簡単な事ではありません。若い頃必死で働き、多額のローンを組んで買った、土地や家をあっさりと手放して、都市中心部の高層アパートに喜んで移り住む人はそれほど多いとは思われないからです。もし、住人の意思ではなく、外的要因での社会のシュリンクが起こり得るとすれば、あまり考えたくないストーリーではありますが、大都市圏を襲う大きな災害でしょうか。インフラがズタズタに寸断された都市には、もはや大きな人口を支える機能は残されてはいないでしょう。戦時中の様に、地方に縁故を頼って「疎開」するしか方法は無いのです。人が住めなくなった都市こそ、皮肉ではありますが再開発やシュリンクをする好機が到来したと言えるのかも知れません。しかし、物理的なシュリンクの前に、頭を冷やして「はて?何故私たちは都市に群れて住むようになったのだったろうか?」と自問してみる必要があるでしょう。今こそ、ゴミゴミして、忙しいだけの都会暮らしと、時間がゆっくり流れて緑豊かな田舎を、改めて比べてみて、どちらが幸せなライフスタイルかを考え直してみるべき時期だと思うのです。田舎に再度人口が戻り始めるタイミングこそ、実は田舎の町をコンパクトに設計し直す絶好のタイミングになる筈なのです。いずれにしても50年、100年単位での長期計画が必要な難しい話ではありますが。

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