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2017年6月26日 (月)

3320 食糧・水・エネルギー問題

N羽宇一郎著の新書を読みました。若い頃、商社で食糧を買い集めていた経験の長い氏の、人口増に対応が難しいとされる食糧問題の提起には説得力があります。本の中で、同時に氏が水問題とエネルギー問題に同じ程度のページ数を割いているのには、予てより同じ問題意識を持っていた投稿者としても納得できるものでした。つまり、食糧生産には、穀物重量の何十倍もの量の水が必要だと言う事実があります。嵩だけで見れば、小麦1㎥を作るには、その数千倍、穀物をエサにして育てる牛肉の場合には、数万倍の量の水が必要な計算になります。これは「バーチャルウォーター」と呼ばれ、環境省のHPでもそのそれぞれの食糧に対する見水の必要量を換算する「バーチャルウォーター計算機」がアップされています。

さて、食糧自給率が4割弱とされているこの国では、不足している大量の食糧の輸入している現状ですが、結局それは海外で農業灌漑に使われた大量の水資源を輸入していると同じ事になるのです。その絶対量は、なんと琵琶湖3杯分にも上るというのです。その意味するところは、輸入相手国で旱魃が起これば、その輸入が止まってしまうということなのです。自国の消費を抑制してまで食糧を輸出してくれる国などどこにもないからです。

同様に、現代においては食糧生産は高度に機械化されていますから、地下水の汲み上げ灌漑電力や作付、管理、収穫に使う大型農業機械の化石エネルギー、加えてその農産物を海を越えて輸送するエネルギー等、多大なエネルギーを費やしてもいるのです。これを、バーチャルエネルギーと呼ぶとすれば、その量も多分原発何個分かに相当すると想像しています。つまり、世界の水問題やエネルギー問題を受けての食料問題は、全てこの国にとっても大問題であり、しかもその比重はあまり変わらないのです。その3つの問題の中で、最も早い時期に顕在化しそうなのは、たぶん水問題でしょう。過酷な旱魃と現状は大量に汲み上げている地下水の枯渇が同時に起これば、その年に彼の国の農地の収穫は壊滅的な打撃を受けるでしょう。例えば、5%のある穀物の供給不足は、たぶん2倍に迫る価格上昇を招く筈なのです。それは、たぶん生産可能な農地や食糧そのものを巡っての新たな紛争を招くと容易に想像できます。今のうちに、この状況を緩和する政策が不可欠なのですが、今の政治屋にこの危機感を持っている人がどの程度いるのか、延々と続くレベルの低い「椅子取り合戦」を眺める限り、暗澹たる気持ちにならざるを得ません。

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