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2017年7月 4日 (火)

3323 パワーマージン

表題は、別の言葉で言えばパワートレランス(出力余裕)の意味です。トラブルが多発しているあるバイオガス発電所を調査する機会がありましたが、原因としての結論は「パワーに余裕が無い」厳しい設定だという事になりました。発電機としての動力は、ディーゼルエンジンですので、小さな馬力のエンジンにフルに負荷を掛けるという状態は、さながら車をレース場で常にエンジンをぶん回し、タイヤを軋ませながら走る様なもので、もちろんエンジンの寿命を縮める事は間違いないでしょう。しかし、同じ車でも交通規則を守りながら、一般道をトロトロ走るならば、車だって例えば20万キロを超える様な距離だって走破してくれる寿命は十分あるでしょう。

つまり、設計負荷と機器の寿命を全うさせる常用負荷は分けて考えるべきなのです。元技術屋のカンとしては、設計負荷に対して、例えば70%以下の負荷を常用とするなら、十分に長い寿命を享受できるはずなのです。航空機の様に、安全率や強度余裕を極限まで削らなければならない場合は仕方がないのですが、陸上用で重量にあまり制限が無い場合、徒に余裕を削る必要など無いでしょう。

発電機であれば、負荷に対してたっぷりと馬力のある原動機(ディーゼルやタービンなど)を用い、十分なパワー余裕を持ちながらトロトロと回せば良いでしょう。負荷が低ければ、当然の事ながら機器は長持ちするでしょうし、故障発生も少なくて済むでしょう。潤滑に関して言えば、軸受けの荷重が小さければ、転がり軸受けでは寿命が延びるでしょうし、滑り軸受けでは発熱量が減るので、潤滑も楽になるでしょう。それは、潤滑油の劣化を抑え、交換の頻度も低くて済むことを意味するのです。「大は小を兼ねる」と言う格言は、この場合非常に重要な意味を持ちます。

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