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2017年8月26日 (土)

3333 モノ造り屋でいいのか

この国の得意技は、抵コストで高品質のモノ造りである、と言われていた時代がありました。確かに今でも、そのワザのかなりの部分は維持し続けている事も事実ではあります。しかしながら、既にいくつかのモノ造り(大)企業の破綻報道がある様に、それをヨシとする時代は過ぎ去りつつある様に思うのです。投稿者が長年関わってきた、航空機産業を例に、それを検証してみましょう。日本の戦後の航空機産業の嚆矢はYS-11の開発だったでしょう。しかし、それ以前に朝鮮戦争で使われた、米軍航空機の整備事業という形で、背景ではこの産業も動き出していたのでした。

1960年代の最後に開発されたジャンボジェット機は、世界に衝撃を与えたものでした。あんな大きな金属製の機体が、数百人もの乗客を乗せて大陸間を飛んだ訳ですから、当時技術屋の卵であった投稿者もたまげたものでした。同じころ、YS-11の後継機開発を考えていた、この国の航空機産業は、オランダのメーカーとの共同開発ベースに作業を進めていたものの、これを聞きつけたB社が、B767の共同開発を持ちかけ、B国の圧力に弱いこの国の行政はこの話を「忖度」して業界を「指導」したのでした。こうして、航空機産業におけるこの国の「モノ造り屋」としての位置付けが決まってしまったのでした。

しかし、モノ造り屋はそれ以外の何物でもありません。品質を確保し、コスト削減にさえ取り組んでいれば、大きなリスクが無いモノ造り屋や、しかし市場に影響力を及ぼす事もまた皆無なのです。もし、オランダとの共同開発が実現していたと仮定すれば、YS-11より大型で燃費も更に向上したであろうYS-22?が実現出来ていた事でしょう。その機体は、たぶん今でいるRJ(リージョナルジェット)と同等ですから、CRJERJなどより20年も早く、RJ市場を創り出していた筈なのです。

繰り返しますが、モノ造りをいくら頑張っても、途上国に追い上げられ、コストで絞られの「ジリ貧」に追い込まれるだけなのです。そうではなくて、市場に「価値」を提供する事によって、新しい製品を提案する様にならなければ、このジリ貧からは抜け出せない、と断言しておきます。人々(市場)が欲しいのは、航空機ではなく、座席単価が安くて、安全に旅行できる「移動手段」なのですから・・・。続きます。

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