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2018年1月29日 (月)

3398 RJの行方

投稿者の前々職は、航空機メーカー勤務でした。仕事の中で、Bラジルとの共同開発リージョナルジェット(以下RJ)の開発にも、現地で深く関わりました。その中で、広く世界の航空機事情を見聞する機会にも恵まれたのでした。一方、この国ではM社が中心となって、悲願でもあったYS-11後継の、国産旅客機の開発に着手したのでした。残念だったのは、それがお国が後押ししたオールジャパンの取組みにはならなかった事だと振り返っています。何故なら、ブラジルでのRJ開発時に発生し、解決してきたノウハウが、M社での開発に生かされなかった結果、同じ様な問題で躓き、五度に亘るスケジュールの後ろ倒しを余儀なくされたからです。

製品の開発で最もモノを言うのは、実は「経験」である事は自明です。経験が無いゼロからの開発では、石橋をソロソロ叩いて渡るしかなく、場合によっては何度かの後戻りも起こり得るからです。取り分け、既存製品を超える性能を狙う場合には、いわゆる「開発要素」も多くなり、計画時には予想できない障害にも多くぶち当たるものなのです。経験が豊富であれば、その経験値で新規開発に当たってもリスクの予測と事前回避もし易くなるでしょう。残念ながら、この国の戦後の航空機産業の歴史は、朝鮮戦争時のB軍機の整備、今は博物館でしか見られない古い国産旅客機の開発、いくつかの自衛隊機の開発などしかない寂しいものである事は認めざるを得ないでしょう。

その中で、新たな「国際商品」であるRJの開発は、実は至難のワザだと言わざるを得ない事業だった訳です。その意味では、オールジャパンの人材を集め、Cナダの様に国の支援も仰いで、取り組むべき一大事業ではあったのでした。今となっては、以上の事は後知恵となってしまいましたが、今回の国産RJの開発も、残念ながらYS-11同様、「技術で勝ってビジネスで負ける(売れない)」という失敗プロジェクトになるだろうと予測しています。そのことは、B国エアラインからM社に突き付けられた、40機もの大量キャンセルという報道でも明らかになりつつあります。

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