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2018年4月19日 (木)

3426 航空機エンジン考

一日当たりで言えば、世界で10万便程が飛んでいると言われる旅客機ですが、旅客運賃低減競争に直接的にインパクトを与える燃費競争も激しく、日々改良や技術的チャレンジが進んでいる様です。いる様です、と書いたのは、投稿者は最早この業界の現役では、単なる傍観者だからです。燃費競争の中では、たぶんエンジンの改良に追うところが大であるのは間違いないでしょう。具体的には、同じジェットエンジンでありながら、かつてのエンジンと今のエンジンでは見かけからして別物の様に見えます。昔のエンジンは、エンジンの後ろから出る排気ガス(ジェット流)が推進力の大きな部分を占めていましたが、現在のエンジンはエンジンの前の部分にあるファンを回す事によって生ずる空気流(バイパス流)が殆どの推進力を受け持っているのです。従って、ジェットエンジンは小型機に採用され燃費も良いターボプロップエンジンに近い考え方に収束されてきた様なのです。さながら、ターボプロップエンジンでプロペラが何段にも重ねられ、それがエンジンダクトの中に納められたといった構成です。

またプロペラ(ファン)は、回転数を上げ過ぎるとスリップが多くなり効率が低下するので、出来るだけ大径にして、ねじり角を大きくし、低回転化を進める方が有利なので、高速化するガスタービン部との間に減速ギヤを入れる構成が主流になりつつあります。これをギアードファンエンジンと呼びます。さらに後段では、耐熱合金の性能向上に伴ってガスタービン部分の燃焼温度はますます上昇させ、高速回転化を進めていますので、これが熱効率の向上を更に後押してもいます。

しかしながら、これは製造技術や品質管理の上では、ますます困難の度を増し、リスクも大きくなってきたとも言えるでしょう。機体やエンジンに最も負荷かが掛かるのは離陸時と着陸時或いは、乱気流に巻き込まれた際ですが、設計条件が厳しい程、条件によっては部材がデッドゾーンに飛び込んでしまう可能性も増加してしまうでしょう。機体に対しては、軽く、しかし剛性が高いという矛盾する要求を、エンジンに関しては低速回転で大径のファン部とますます高温の燃焼温度と高速回転を要求されるタービン部との、これも矛盾する要求を同じ1本の軸上で実現しなければならない訳です。ですから、製造上の僅かな瑕疵が、エンジンブレードの飛散などという重大事故を引き起こすのです。安全性と性能とは、基本的には矛盾するものだと言うしかありません。飛行機に乗る際には、出来ればエンジンの真横の席には座りたくないものです。

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