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2018年5月21日 (月)

3443 この国の資源4

ある研究会のメンバーと共に、県内の内陸にある農業コンサルが作っているモデル温室を見学しました。雪国秋田でもこの地域(内陸)は特に多雪地域で、通年で農業を行うためにはハウス暖房が不可欠です。通常の温室では、灯油か重油ボイラで行うのでしょうが、ここではもみ殻ボイラを使っていたのです。厳冬期には、もみ殻ボイラだけではハウス内温度と地温が保てない様で、小型の灯油ボイラも併用していましたが、熱量の6割以上はもみ殻の燃焼熱で賄っているとの事でした。

このもみ殻ボイラには副産物もあります。それは「燻炭」です。完全燃焼では、もみ殻は白い灰になりますが、空気量を絞って燃焼させるともみ殻の形が残っている黒っぽい「燻炭」になるのです。燻炭は、土壌改良材として理想的なので、結構な値段で農業資材として取引される様なのです。国の政策が代わって、これまでもっぱら田の暗渠排水用として使われていたもみ殻ですが、今は余り気味で、基本的にはもみ殻は農家が無料で運び入れてくれる様なのです。厄介もので無料の燃料から、燻炭と言う付加価値を生み、同時に発生する熱で灯油を節減した上に、温室を暖めて季節外れの作物を収穫する。いわば、もみ殻と言うバイオマスエネルギーを組み込んだ、「農業システム(ビジネスモデル)」に仕立てる事も十分可能だと感じました。バイオマス資源の活用を考えるに当たっては、単独で発電したり暖房目的でエネルギーを取り出したりするよりは、農業との組合せで多段階でエネルギーと付加価値を生み出すという「ビジネスモデル」にする事によって、十分な採算性も期待できるのです。一言で言えば、「再エネと農業は相性が良い」、という事になるのでしょうか。

林業や農業からは、多くの残さが排出されますが、問題は「水分率」にあると見ています。もみ殻は、そもそも乾燥させたモミを籾摺り過程から生れますので、そのまま屋内保管すれば十分に乾燥させた燃料が手に入りますが、一方で林業残渣や売り物にならない農業残渣などは、屋外保管でたっぷりと水を含んでしまっているので、その活用は厄介です。ここでの提案したいのは、農業ハウス(ビニールハウス)や使われていない建物を活用して屋内保管とし、更に太陽熱で乾燥させて燃料としての価値を高める方法です。バイオマスと太陽熱の組み合わせは、これまた相性が抜群なのです。

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