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2018年5月22日 (火)

3444 この国の資源5

この国の資源として、水力(小水力)についても少し考えてみます。水力は、原理に立ち戻れば、山に降った雨が、海面に対しての「位置のエネルギー」を持ち、それが谷や川を流れ下る際のエネルギー(位置エネルギー+流れのエネルギー)を利用するものです。ここで注意を要するのは、エネルギーポテンシャルとしては、確かに位置のエネルギー(水頭)が重要なのですが、それを取り出す際には。どれだけの水頭の水が、どれだけの速度で、どれだけの量流れたかが問題にされる訳です。緩い傾斜だが水量が多く滔々と流れる川でさえ、その流れの持つエネルギーは、高いダムから導かれているが、しかし水量が限定的な発電所に匹敵するエネルギーを持っているのです。つまり、大河は水頭は小さいが、水量で稼げる可能性があるのです。

問題は、川は公共財なので、それを勝手にエネルギー利用だけに振り向ける訳にはいかないという側面です。と言うより、長い歴史の中で、河川水は農業(とりわけ水田)利用を主体として位置づけられ、水力の利用は農業利用に組み込まれていない細い渓流程度に限られていたのでした。とは言いながら、田舎に行くとかつて電力供給が十分ではなかった時代に、地元電力とでも呼ぶべき水力発電所の痕跡なども見つかるのです。山間の渓流をせき止めて、小規模なダムを作り、そこから比較的細い導水管や開水路を組み合わせて発電所まで水を引き、数百キロワット程度(つまりは数百軒程度の家庭向け)の発電を行っていたのです。ダムや水路は、補修を重ねれば耐久性はあるので、後は発電機をメンテしたり交換したりして、今でも現役の発電所が投稿者の住む町でもいくつか見ることができます。

もう少し、小規模な水力発電を考えていくと、規模はいきなり10kw以下に落ちてしまいます。その意味で、数十kwの規模の発電所の適地は、殆ど存在しない事を意味するのです。と言うのも、この規模の発電所を動かす事ができる水路の殆どは、既に農業水利に組み込まれているからです。農業排水が川に流れ込んでいる所や沢水が無為に川に落ちている小規模な水資源も田舎ではそれなりに見つかりますが、それらは、例えば数kwの発電ポテンシャルしかないケースが殆どなのです。そう思って見回すと、小規模で効率の高い水車や発電機は殆ど開発されていない事に気が付くのです。理由は明快で、そのサイズの需要が極端に少ないからでしょう。

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