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2018年5月24日 (木)

3446 空飛ぶ車は飛ばせない?

車の進化形のみならず、ドローンの進化形も含め、空飛ぶ自動車のニュースを見ない日はない程です。このブログは「対案」することを主体に書いているつもりですので、あまりネガティブな表題や中身はあまり好きではないのですが、「無駄なコト」に人材や資源を注ぎ込む無駄を看過する訳にもいかないと思い、この表題にしました。

さて、空飛ぶ車ですが、これは今ある小型飛行機(軽飛行機)とは事なるカテゴリーの乗り物だと定義するしかありません。飛行機は、基本的には翼の揚力を利用して飛行するものですが、一方で空飛ぶ車は、揚力を例えば浮上用のファンで生み出し、同じファンか又は推進用のファンで前進をさせるものであり、専門訓練を受けたパイロットではなくても操縦が可能な乗り物でもあります。極端に言えば、今ある小型のドローンを大型化し、キャビンをつけて人が乗れる様にしたものである、とも言うことも出来るでしょう。もちろん、軽量化した車に可動式の翼をつけて、道路から離陸できる様にした「翼付き茶車」やジャイロコプター型のコンセプトは古い時代からあり、実際いくつかの試作機も作られてはいますが、それらはとても実用機とは呼べないシロモノだったのです。

さて、仮に実用レベルのドローン進化形の空飛ぶ車が完成したとしましょう。では自由にそれを飛ばす事を許可するかと問われれば、誰にも二の足を踏むでしょう。何故なら、誰もその安全性を担保出来ないからなのです。車には、車検制度と言うものがあり、基本的に整備不良車は運行出来ない事になっています。車であれば、もし整備不良があったとしても、最悪はエンジンが止まったり、タイヤが外れて道路から飛び出す「程度」の事故で済むでしょう。しかし、空飛ぶ車では、整備不良は即運転者の死亡を含む重大事故につながるでしょう。なにしろ、地上数十メートル(現在の法律では高度150m以上の飛行は航空機の運航に当たる)から落下するのですから、高いビルから車ごと落下するのと何ら変わらない衝撃なのですから。全身を包むエアバッグが装備されていたにしても、墜落で巻き添えを食うであろう、地上を走行する車や通行人はたまったものではないでしょう。

データを示しましょう。およそ350機が生産され運用されている、V-22(愛称は、和名でミサゴと言う鳥)と言う、ヘリの様な飛行機の様な軍用の輸送機がありますが、ほぼ完ぺきに整備されている筈のこの機体でさえ、なんと年間10件前後の重大事故を起こしているのです。増してや、民間機でしかも個人所有となると、誰がどうやって安全性を担保するのか、と言う根本的な問には何人も答えを出せないでしょう。従って、たとえ空飛ぶ車が完成したとしても、法律上は飛ばす事ができないシロモノなのです。その開発は、人材とお金の無駄使いなのですから直ちに打ち切るべきでしょう。

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