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2018年5月30日 (水)

3450 利便と代償

昨夜クロ現で取り上げていた、究極の「Aマゾン社会」を想像して、暗澹たる気持ちになりました。ここでは、AIスピーカを通じて注文すると翌日には商品が届き、子供が宿題の答えをAIスピーカから聞き出し、家から出ずに何でも手に入れる事ができる社会を「Aマゾン社会」と呼んでおきます。確かに、便利な社会です。足が不自由なお年寄りでも、買い物に不便はないでしょうし、交通が不便な山間地でも、近いうちにドローンか自動運転車で配送してくれる仕組みが完成するでしょう。

しかし、その様な超便利な社会が人々の幸福につながるか否かは全く別問題です。何より、人と人との交流がありません。注文はAIスピーカを通じてコンピュータが受付け、無人の自動搬送車が縦横に動く倉庫で箱詰めされ、直ちに宅配便業者に引き渡されます。トラックは、夜通し走り、翌日には注文主に届けられる事になりますが、人は殆ど介在していないのです。配送まで無人化された暁には、注文主はモノだけを機械から受け取る事になるのです。90年代に登場し、その後この国でも爆発的に増えたショッピングモールですが、B国では、Aマゾン等のネット通販に押され、次々に閉鎖に追い込まれているのだとか。小売り商店にシャッターを降ろさせたモールが、今度は通販によって閉鎖を余儀なくされるのは、皮肉な話ではあります。モールは、デパートとスーパーと小売り商店を集約した、人々の交流の場でもあった事を考えれば、ネット通販はその交流を全く断ち切ってしまうのです。

人間とは、読んで字の如く、そもそも人と人との間の関係(交流)無しには生きていけない存在だと思うのですが、通販社会によって人間関係がドンドン希薄になっていく結果、一体その様な社会にどんな病理が蔓延るか、恐ろしくて想像もしたくない程です。少なくとも、人と人との関係を、AIや自動機械に任せてしまう結果、人間関係を上手く築けない人達、今流行の言葉で言えば「コミュ障」人間が、飛躍的に増える事は間違いないところです。人の表情を読み、心情を汲み取るなど全く出来ない人間は、たぶん感情的には極度に不安定な筈なのです。コミュ障国家でもある北の隣国の行動を引き合いに出すまでもなく、人間同士の関係にも、既にその兆候はボチボチ表れてはいますが、今後「信じられない様な事件」が更に頻発する事を憂えます。(便利過ぎる)利便に対する代償としてはあまりにも大き過ぎる事に私たちは早く気付くべき時代に差し掛かっていると思うのです。

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