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2018年7月20日 (金)

3478 追い風と持続製品

ビジネスを展開する上では、もちろん逆風(head wind)に立ち向かうよりは、追い風(tail wind)を利用する様が賢いでしょう。その意味で言えば、今吹いている社会の追い風は何か、と考えてみれば、答えは比較的簡単で、3476に述べた「SDGsの17項目に乗る事」と言い切っても良いでしょう。その17項目のカテゴリーにアプローチする際のキーワードは、間違いなく「持続可能性」でなければなりません。つまり、持続可能な社会に向けた事業を展開していけば、自然にその企業の持続可能性も確実になっていく筈なのです。

ここでは持続可能性の高い製造業(仮に「持続企業」とでも呼んでおきます)の例を挙げてみましょう。現在の製造業の状況を考えてみると、市場で売れそうな製品やそれを作っているメーカーの下請け部品を作って、各期毎で利益を出してさえいれば、当面はなんとか存続できそうです。しかし、持続企業ではそうはいきません。持続製造業では、先ず製品を作るための源材料から吟味しなくてはなりません。つまり、環境に大きな負荷を与える事無しに、持続可能な形で入手できるモノでなければなりません。例えば、古の日本では鉄を「たたら製鉄」で作っていました。砂鉄と、周辺の山で産する薪(炭)を使って行う製鉄ですが、しかし規模が大きくなるにつれて、砂鉄を手に入れるために山を崩した土を水で洗い、薪炭を手に入れるために片っ端から山の木を伐採したために、山野は荒れ果てたのでした。もし、その地域で毎年手に入る量の砂鉄、毎年増加する分だけの薪炭で賄える範囲で、細々と製鉄を行っていたなら、たたら製鉄は長く存続していたのかも知れません。

さて、持続可能性はそれほど高くはない鉄を諦めた場合、それに代わる原材料は手に入らないのでしょうか。そうではないでしょう。例えば、圧縮した木材や純粋な形のセルロースファイバーは、十分に金属に肩を並べる素材になり得ると見ています。山の木を循環的に利用し、その産出する範囲内であれば、持続可能な形で素材を得る事は可能なのです。先ずは、車メーカーが「木製の車」を実用化してみる事が必要でしょう。もっとも密度を高めた場合でも、比重が1.6に過ぎない木の車は、間違いなく軽い筈なので、鉄の車に比べてエンジン(モーター)も小さくて済み、燃費も向上するでしょう。例えば、ここで想像してみた「木製自動車」は、確実に強い追い風を受ける事ができる持続製品なのです。

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