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2018年7月24日 (火)

3480 分散システムのメリット

今の科学・技術を前面に押し出した文明では、一貫してシステムの巨大化を推し進めてきた様な気がします。例えば、発電所を考えてみても、原発などでは1基100万kwもの出力がある発電機が、5-6基も集まっている様な巨大なシステムを構築していて、それを太い送電線網を使って北陸から関東まで送ったりもしてきたのです。システムの巨大化の第一の目的は、効率化だと想像しています。建設も効率的でしょうし、立地を検討するのも集中させれば楽でしょうし、運用面でも少ない人員で、大きなシステムを維持管理可能となるでしょう。

しかし、考えてみれば電力を消費する需要家は、広く分散している筈です。個々の工場やビルや住宅は、網の目の様に張り巡らされた電線網(グリッド)で需要家に届けられるのです。巨大システムで勿体ないと思うのは、巨大化に伴うムダです。上に、巨大化の目的は効率化だと書きましたが、実は大きな無駄も出しているからです。例えば、送電ロスです。送電は、アルミ合金製の送電線を通じて行われますが、アルミは電気の良導体ではあるものの、銅や銀などよりかなり性能が落ちるのです。ざっと言えば、単位長さ当たりの抵抗値は、アルミは銅や銀に比べて2倍近いので、結果としては送電によって2倍の発熱量(エネルギーロス)が生ずる事になるのです。もちろん、銅や銀にしても完ぺき導体ではないので、それらを使っても送電ロスは生ずるのですが・・・。

更に言えば、大きなシステムのメンテナンスに関して言えば、複数あるシステムのメンテナンス停止の期間を考えると、それでも電力不足が生じない様に、余剰システムを抱えておく必要があるでしょう。つまり、定常時5基の原発で構成されるシステムには、メンテナンス時のバックアップのためだけに6基目の発電機が必要になるのです。つまりは、余剰率20%という訳です。しかし、システムの構成単位(ユニットサイズ)が十分小さければ、余剰率も小さくて済む筈です。適正な余剰率は、たぶん5%前後で十分でしょう。それよりなにより、システムを小さくした上で、需要家に近い場所に分散して設置すれば、送電ロスも無視できる様になるでしょうし、災害時の堅牢性(ロバスト性)も高まるのです。

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