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2018年8月28日 (火)

3493 二季?

幸いな事に、この国には四季というものがあります。南の方の地域には、雨季と乾季しかない国々も多い事を考えると、やはりラッキーです。四季は、当然の事ながら23.5度という地軸の傾きと、地球の公転によって生まれますが、その天体としての動きに加えて、海洋や大気の動き、更にはそこに生きる生物などの活動が入り混じった全体的な結果だと言えるのです。

天体の動きだけを考えれば、夏至の時期が最も暑く、冬至が最も寒い筈なのですが、実際はそうはなっていません。実際には、6月下旬ではなく、7月末か8月初めに暑さのピークが来ますし、寒さのピークは12月末ではなく1月下旬か2月初めになっています。それは、地球の大地や海洋が暖まり、或いは冷えるのに時間が掛かる(時間遅れがある)事に加え、夏場の植物やプランクトンの活動、氷雪や雲による太陽光の反射率(アルベド)の変化なども絡んでくる訳です。この国の四季がはっきりしているのは、これに加えて極気団を取り巻く偏西風(ジェット気流)の存在も大きく関わっているのです。ジェット気流は、寒気を縛る鉢巻きの様なもので、それより北(南半球では南)では、冷涼で乾燥した大気が気候を支配し、それより赤道に近い地域では暑く湿潤な気候が支配しているからです。季節によって、極気団は増大したり、後退したりを繰り返しますが、それが中緯度地方にあるこの国を跨いで南北に移動するために、夏と秋、或いは冬と春の境目が明瞭に感じられるのです。

しかしながら、近年は特にこの国の南側ではさながら熱帯の様に、暑い夏と冬の「二季」に近い状況が観測されつつあります。つまり、例えば夏が5月頃から10月頃まで続き、11月頃に突然寒さがやってくる様な極端な気候です。冬はそれなりに寒いのですが、春が短くあっという間に暑さがやってくる気候サイクルになってきた様なのです。これは、ジェット気流の位置で言えば、春秋にこの国の上に居座る期間が非常に短くなってしまった事を意味します。これは、森林面積の縮小や海洋温度の上昇傾向、何よりいわゆる「温暖化」傾向が大きく関与している事は疑いないでしょう。

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