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2018年9月 9日 (日)

3500 SBTとは

SBTとは、Science Based Targets(科学的根拠のある目標値)の事ですが、お国も含め、多くのこの国の企業の目標は、「頑張ります目標」になっているのは否定できません。例えば、お国の目標の一つである、2030年に2013年度比のCO2排出量を26%削減するというターゲットを考えてみましょう。26%削減という数字を作るに当たっては、もちろんお役人は数字を積み上げます。それが彼らの仕事だからです。何を何時までにどの程度削減するかという数字です。とは言いながら、それはあくまで「頑張ります目標」に過ぎないもので、具体的な「科学的根拠」に基づいたものでない事は素人にも想像できるでしょう。

例えば、一方で原発を減らすと言いながら、その原発を廃炉にする原子炉政策とは必ずしも連動していないし、まだ実用化には程遠い「水素技術」を大幅にカウントしているのです。つまり、この目標は経産省が「勝手に」作成したものであり、農水省(バイオマス政策)や科技省(原子炉政策)などとの横連携は殆ど取れていない筈なのです。太陽光発電を増やすためには、農地や林地転用なども問題もあり農水省との調整が必須でしょうし、一方で農水がバイオマス発電を増やすと宣言しても、ではその電気を誰が買うのかという問題では経産との調整が不可欠なのです。

つまり、SBTを作成するためには、非常にややこしい「連立方程式」を解かなければならないし、そのためにはお役所、企業の横連携が不可欠なのです。この国が最も苦手とするのは、まさにこの点で、長期的な視点に立った青写真を示した上で、それが示すターゲットに向かって、科学的根拠のある数字を、(省庁間で連携を取りながら)積み上げる、という息の長い行動なのです。それもこれも、殆どの予算が単年度で組まれ、実行計画も実行も同じ年度で「消化」しなければならない行政制度に起因すると見ています。

科学的根拠などと言うものは、行政の都合でズタズタに切り刻む訳にはいかないのです。科学は、天才の閃きで一気に加速する一面もあるのですが、普通は地道な理論と検証実験の積み重ねで成り立っている学問分野なのです。お役所の作る数字も、その意味では科学の進捗の手堅いマイルストン(行程)に基づいて、実現可能性の高いものでなければならないのです。続きます。

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