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2018年10月18日 (木)

3510 物質循環2

物質循環を考える上でのキーワードは、マテリアルバランスでしょう。即ち、ある閉じた系(例えばある工場)の境界線を引いた場合、その境界内に入る物質、その境界から出る物質を、最大漏らさずカウントしてみるのです。工場であれば、素材を購入して倉庫に運び入れるでしょう。同時に工程で使う副資材も買う筈です。見えないものもカウントしなければなりません。例えば、間違いなく電力を購入しているでしょう。工場のフォークリフトやボイラを運転するための燃料も購入しているでしょう。その際には、排気ガス(主としてCO2)を出しているのです。この排気ガスは、やがて工場の境界を越えて、大気中に拡散していくのです。

これを絵にしてみると、マテリアルバランスが良く見えてきます。先ずは、境界を示す四角い箱を描きます。そこに入る物質(+エネルギー)を最大漏らさず⇒入りでリストアップします。可能な限り数値化する必要もあります。つまり、鋼材〇〇トン/年、電力XXkwh/年、など等です。また、工場から出荷される製品量もカウントします。工場に入ってきたのに出て行かない物質は、倉庫に積み上がるストックか、或いは工程途中で発生した廃棄物となって、工場から出ていくのです。もちろん、CO2の量もカウントします。最も望ましくない排出物はCO2と埋め立てられる産廃でしょう。それらは、消える事無く環境に蓄積していくからです。

この絵を眺めながら、先ずはCO2と廃棄物に注目してみましょう。CO2は、その量さえ適正であれば、植物や植物プランクトンなどに吸収されて循環するでしょう。埋め立てではない廃棄物、例えば紙類やプラスチックゴミなどは基本的には燃やされてCO2になるか、或いは金属くずなどはリサイクルされて原材料として再生されるでしょう。問題は埋め立てゴミです。良い例が、廃車のシュレッダーダストでしょう。廃車は、エンジンやラジエータなど、主要なパーツを外された後、荒っぽく巨大なシュレッダーで破砕され、磁選に掛けられます。しかし、ガラス片やシート材やプラスチック片などは、ごちゃ混ぜになったシュレッダーダストとして、埋め立て処理に回されるのです。そうではなくて、先ずはシュレッダーに掛ける前に、徹底的に分解すべきなのです。ガラスはガラス、シートはクッション材とフレームに、プラスチックは出来れば材種毎に、です。これは、たぶんその車を製造したメーカーに任せるべきでしょう。何故なら、メーカーはその車に使われた材料や構造を熟知しているからです。つまり物資油循環社会の理想は、メーカーがリサイクル工場を運営する事なのです。かくして、今は埋め立てゴミとなっている廃棄物が、原材料として蘇るのです。更に続きます

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