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2018年10月29日 (月)

3517 劣化学?

新しい、学問の可能性を示したいと思います。取り敢えず「劣化学」と名付けましたが、要は設備や建物や装置・製品などの劣化を、学問的に分析・評価し、故障を未然に防ごうとするものです。世は、まさにIoTでありAIであり、自動運転車や空飛ぶタクシーの時代に入りつつありますが、そこに共通しているのは「電気」です。電気には、モーターを動かすいわゆる「強電」と、それをコントロールするためのコンピュータなどの「弱電」に分けられるでしょう。それに加えるならば、離れた場所に信号や情報を送るための「通信」もやはり、電気・電子機器に依拠しているでしょう。

動かない建物や動く機械を含めて、全ての形あるものは劣化してしまいます。動かないものでも、それを構成する素材は、腐食やコンクリートの脱灰などによって強度が低下します。動くものは、いくら上手に潤滑を行ったとしても、機械には「摩耗」が不可避でしょう。その結果、初期に設計者が目論んだ性能は、徐々に、或いは急激に低下して行かざるを得ないのです。実際上、その劣化に対する利便の低下や得られる利益の低下の責任は、ユーザーに委ねられていると言っても間違いではないでしょう。ユーザーは、最早使うに耐え難い状態に陥った時に初めてメーカーにSOSを出して修理を依頼するのです。

しかし、もし建物や機械装置や製品に、予め自分の「残り寿命」を検知し、表示する機能を組み込んでいたらどうでしょう。ユーザーは、その表示を確認し、その建物や製品を使い続けられる期間を知り、必要によっては致命的な劣化症状を起こす前に、手が打てる事になります。考え方は比較的簡単です。建物であれば、建物と同時に強度評価に使う鉄骨やコンクリート塊を建物の中に組み込んでおき、定期的にかつ自動的に強度を計測・評価するのです。例えば、鉄骨の場合、腐食して減耗が進むと同じ応力を掛けても伸びや圧縮量が大きくなってしまいます。また、可動部のある機械であれば、可動部の摩耗量を非接触で検知できれば、摩耗限度にどの程度近いか評価できる筈です。

それらのデータは、AIで集められ、統計的に処理される事によって、劣化の進み方や傾向の特徴がつかめる筈です。それらは、素材の劣化や損耗に関しての貴重なデータにもなり、その後の設計ミスも防止できる事につながるでしょうし、メンテナンス作業にも役立つでしょう。即ちこれは、劣化学の確立に他なりません。一時期、設備メンテナンスでTPMなる言葉が持て囃された時代もありましたが、残念ながら今は廃れかけている様に見えます。加えて、世の機械装置が殆ど電動化された暁には、電気系統の劣化(断線や接触不良やコンピュータの暴走)によって起こるであろう重大事故の多発が大いに懸念されるのです。劣化学が必要な所以です。

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