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2018年10月30日 (火)

3518 フェイル・セーフ

全てのシステムに関して最も重要な事は、システムの動作に関連して、事故とりわけ人身事故や環境事故を起こさない仕掛けを、内部に組み込む点にある筈です。それが組み込まれたシステムを、フェイル・セーフと呼ぶ事があります。日本語に敢えて直せば、本質安全とでも言えるのでしょうか。

最近起きたT湾での列車脱線事故を例にとりましょう。列車の運行に関わるシステムで、最重要な改善は、たぶんATCの採用でしょう。ATCには、例えばカーブでは自動的に減速する機能も組み込まれている筈です。しかし、本当にフェイル・セーフとなっているシステムでは、ATCを切ったままの運行が出来ないシステムとなっていなくはならないでしょう。そうでなければ、本当の意味での本質安全にはなっていないと言うしかないのです。もし、ATCを切って列車を進める必要が出た場合でも、出せる速度は徐行程度に制限されていなくてはならないと思うのです。間違ってもタイトなカーブに最高速度で突っ込んで、最悪の脱線事故を引き起こす様なシステムであってはならないでしょう。

Fクシマの原発事故で言えば、原発はどんな過酷な事態が生じたとしても、先ずは制御棒が動かせて核反応を抑制し、同時に炉心を冷やし続ける事が出来るサブシステムが必要でしょう。それも電源が完全に無くなった場合にあってでもです。例えば、制御棒ですが現在のシステムでは、制御棒は原子炉の下部から油圧で操作する様になっていると理解していますが、本質安全システムでは上部からの制御とすべきでしょう。即ち、電源が失われた場合でも、重力で自然落下して核反応が停止できるようになっているべきなのです。それが出来ない場合でも、例えば蓄圧器を設けて、電源喪失の場合には自動的に制御棒を押し込む事が出来る様に考えておくべきです。炉心の冷却に関しても、電源が無い場合でも自分が炉内に持っている蒸気で動く蒸気タービンで動く緊急炉心冷却装置(ECCS)や電動モーターによる場合でも、完全に独立した非常用電源を使って、高い場所に設置して浸水するおそれの無いECCSとしておく必要があるでしょう。

フェイル・セーフに近いシステムとしては、航空機の設計がそれに近いモノではありますが、悲しい事ですが人類はまだ完全と言えるフェイル・セーフシステムを実現した例は無いと見ています。

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