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2018年12月16日 (日)

3537 SDGs15:陸の豊かさも守ろう

この表題に関しては、ある時期放送大学の大学院で、学問として考えた事がありました。その時の結論は、例えば生物多様性の根源は、結局は自然環境の多様性、具体的に言えば人工と手つかずの天然自然(今は殆ど残っていないのですが)の間の、滑らかなグラデーションだというものでした。つまり、徐々に変化する環境のグラデーションは、その中に生きる植物や昆虫や動物相を豊かに保つと思うのです。もし、人工的な都市の周りが、全く手の入らなくなった藪と草ぼうぼうに放置されていたとすれば、里山の多様性は失われ、シカやイノシシの天下になってしまうでしょう。

そうではなくて、環境のグラデーションは適度な人手の介入によって、自然とグラデーションを持つ「半人工」が混在する「緩衝帯」を設ける必要があると思うのです。程度に樹木や藪が間引かれ、日の差す様になった里山には、山菜やその他の多様な(在来)植物が育ち、それを目当てに人も適度に立ち入り、昆虫も集まり、結果として小動物が出没する代わりに、自分の姿が人間に見え易くなる結果、大型動物(しばしば害獣と呼ばれます)は、里山にはあまり立ち入らなくなる筈なのです。

陸の豊かさは、実は山の豊かさからもたらされると断じても良いでしょう。それは、その土地の気候に適した、多様な樹木や植物相によって担保されなければならないでしょう。一方で、戦争で禿山にされた各地の山々は、材や紙として利用しやすいスギやヒノキやツガが植えられた「単相林」に代えられてしまったのでした。その結果、落葉樹の落ち葉がつくるフカフカの林床が失われ、僅かの針葉樹の落ち葉の下には、土壌が見えている様な貧相な山林ばかりになったのでした。この国の山林面積は、国土の2/3にも達しているのですが、その半分は人工の単相林であり、それも間伐すら行われていない為に、樹木の生長が極端に遅い、ヒョロヒョロの「貧相林」になり下がったいるのです。見かけだけは、緑に覆われている様に見えるこの国の国土ですが、私たちはやはり山に分け入って、そこで何が起こっているかを確認すべきなのです。陸の豊かさは、実はこの国でもピンチに直面しているのです。

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