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2019年2月 1日 (金)

3553 ゼロサムゲーム

ゼロサムゲームとは、ゲームで勝ち負けを合算して均せば、プラスマイナスゼロになっているゲームを指します。ゲームでは、誰かが勝ち、誰かが負けますが、地球全体で見た経済(ゲーム)もあまり変わりがないでしょう。特に、株や債権の様な「権利」としての価値は、誰かが儲ければ、誰かが損を蒙る様になっている筈です。それでも、経済規模が拡大するのは、誰かが最初に地中から資源を掘り出すか、又は土壌+水+太陽光(+肥料+農薬)を利用して作物を育てるなどの活動の結果、地上にある資産が増えているためなのです。

一次産品を加工する人、それを運ぶ人、売る人、取引に必要なお金を印刷して、それを扱う人、それを買って2次加工したり、消費したりする人、その結果出た廃棄物を処理する人などが関わって経済という仕組みが出来上がっていますが、この仕組みの中で全ての人が何らかの利益を得て、毎日のオマンマにありつき、誰も損をしていないと仮定した場合、結局損をしているのは、資源を略奪され、廃棄物の捨て場所になっている地球(環境)だけだと言う変な結論になってしまいます。

現実は、かなり異なるでしょう。資源をコントロールできる立場の(特に先進国のメジャーと呼ばれる企業や資源国の特権階級)の手元には、使い切れないほどの資産(モノを買う権利)が集まっている事でしょう。一方で、資源の草刈り場にされてしまっている途上国や資源すら持たない国々とそこで暮らす人々には、全く不十分な分け前しか与えられていないのです。これは、悲しい不平等というしかないでしょう。貧しい国々では、食糧生産を抑えてでも先進国に売れる「換金作物」を育てるか、或いは先進国に出稼ぎに出るか、或いは安い賃金で軽工業と呼ばれる産業、衣料など先進国への輸出商品を作るか、さもなくば喰うや喰わずの生活に耐えるかといった選択肢しか残されていないのです。更に悲しいのは、途上国の産業は多くの場合先進国の資本で興され、利益の多くが先進国に持ち去られている言う事実でしょう。

結局、地球が蒙る損(環境負荷)を除けば、世界の経済は人口増加程度しか拡大していないゼロサムゲームであるにも関わらず、勝者(Winner)と敗者(Loser)の格差は、日々拡大し続けている様なのです。これに歯止めを掛ける知恵を、まだ人類として発明出来ていないのが残念至極です。

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