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2019年2月16日 (土)

3556 北極振動

太平洋を隔てた隣国のリーダーが、強烈な寒波を引き合いに「ほら見たことか、地球温暖化なんてフェイクニュースだ。」と言ったとか言わなかったとか。これは彼が、如何に物事を深く考えては居らず刹那的なコメントする人物かの証左でしょう。寒波は、北極気団を包み込む気流(ジェット気流)の凸凹の張り出しによって齎されるという事実は古くから知られています。勿論、冬期にその気団が強い場合には、ジェット気流も強く従って、ある緯度以北は非常に強い空気に覆われ、ジェット気流以南は比較的温暖な冬となる筈です。

しかしながら、温暖化によって夏場の北極海の浮氷の多くが消失し、太陽光によって海水が暖められ、冬場の寒気団が弱まります。その寒気の吹き出しが、コリオリの力によって西風のジェット気流になるのですが、寒気団が弱いとその気流も弱まり、結果として蛇行が始まる訳です。今回の寒波の様に、蛇行が酷くなると最早蛇行とも言えず、北米と東アジアに二分化され、寒波が低い緯度まで下りてきたのでした。

これを冬場に見られる温暖化の影響と言わず何をそう呼ぶのでしょうか。その証明は、毎年の夏場の集中豪雨の多発や、逆に別の地域の酷い旱魃被害のニュースを眺めるだけで十分でしょう。長期的な、平均気温の上昇トレンドも雄弁ですが、百年単位での1℃程度の上昇の影響は、一見穏やかな変化と見られがちです。しかし、投稿者としては温暖化は、ある閾値を超えると、途端に気象の激変となって牙を剥くのだ、と思っているのです。気象の激変とは、冬場には一見温暖な気象でありながら、時として数十年に一度の寒波が来襲するとか、夏場に平均以上に暑い日々が続き、時としてこれも数十年に一度の嵐や豪雨に襲われる、という近年の傾向を意味します。一方で、米国や豪州やブラジルやユーラシア大陸の、海洋から距離のある内陸の穀倉地帯は酷い旱魃に襲われる頻度が高まる結果にもつながるのです。

まったく、50年後100年後の子孫の暮らしは、一体どうなる事やら、戦後の高度成長期を通じて温暖化傾向の原因を作ってしまった世代の一人としては、ココロの痛みが続きます。

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