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2019年4月 2日 (火)

3574 何をどう作るか2

必要なモノを必要な時に必要なだけ作るJITと言う考え方には賛同できますが、現実の世界ではそれはやはり理想に過ぎません。材料や部品が、必要なタイミングで必要量確保できるのであれば、その理想は成り立ちますが、現実にはそうはいかないでしょう。仕方なく、JITを目指すモノ造りでも、必ずどこかに「在庫」を置かなければならないのです。車に関して言えば、車体を形作る鋼板の在庫は、製鋼メーカーの工場のどこかに倉庫があるでしょうし、数日分の小さな倉庫は車メーカーも持っている筈です。一方で、部品の在庫はもちろん部品メーカーに押し付けられている事でしょう。車メーカーには部品在庫は置かないのが通常だからです。そのために、部品メーカーでは翌日に組立ラインで使われる部品は前日に発送しますが、そのトラック便は高速道路のSAで夜明けを待って(時間調整をして)始業前の車メーカーに滑り込む訳です。
そこまで考えると、やはり私たちは何らかの形で在庫を持つ必然性はありそうです。在庫を圧縮する方法はいくつか考えられますが、やはりサイクルタイムを適正化する方法が王道でしょう。1時間に10個しか出来ない部品メーカーと、同じ部品が同じ時間で100個作れる能力のメーカーがあったとして、毎日100個納品すると仮定すれば、前者は1日10時間稼働してやっと翌日分を発送できますが、後者は僅か1時間の設備稼働で1日分の出荷量が確保できる勘定です。
どちらがJITの理想に近いかを考えれば自明でしょう。車メーカーではその部品が使われる車種を、1日に100台生産している訳で、超自動化された最新の部品工場ではサイクルタイムが短すぎて設備余裕が大き過ぎるムダがあるのです。前者のやや古い工場は、実は今のJIT生産のサイクルタイムに同期していて、理想に近いのです。
その考え方を極限まで突き詰めたのが、「1個流し」でしょうか。車1台が組み立てられる間に、それに使われる部品1個を作れば全くの在庫のムダ無しに、生産が続くでしょう。問題は、部品や素材の輸送手段です。もちろん部品を1個ずつ個装して、バラバラのタイミングでトラック輸送するには多大な輸送エネルギーのムダが発生します。それを避けるには、部品を車メーカーのすぐ近くで生産するのが理想です。多数の部品を、下請けに分業させ、大量に作らせてそれを集める今のモノ造りは一見効率的な様でも実はムダが多い手法なのです。もし、組立工場内で部品を作るのが現実的ではないならば、車のデザインを変えて車をユニット化し、そのユニットをいくつかの企業が分担して生産させ、最後に車メーカーでそれを結合させれば良いのです。かくして、ほぼ理想的なJIT生産も実現に近づける訳です。ここでのK/Wとしては、「製品のユニット化の追求」と言うことになります。今後車のEV化が加速すれば、その実現はあっけない程容易でしょう。

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